部長、大変です!
《20》













「ふぅ…」
力一杯押さえ付けられていたためか、手と足が鈍く痛んだ。
ゆっくりと伸ばして、畳の上で全身を弛緩させる。
手を軽く振り上体を起こすと、跡部は灰青色の瞳をすうっと細めて仁王を睨んだ。
「……で、どうするよ? お前もやりたいんだろ?」
「あ、ま、そうじゃけど…」
跡部に射抜くように見つめられて、仁王が思わず口籠もりながら視線を逸らす。
「おい、お前もやりてえんだろ、柳生だったな…」
「……は、はい、勿論ですが…」
振り返って背後にいる柳生を見据えると、柳生も眼鏡の奧の涼やかな瞳を瞬かせて困惑したように答えた。
「ンじゃ、一緒に来いよ。お前らダブルスも組んでるんだから、一緒でいいだろ?」
「……一緒、ですか…?」
「…早く脱げよ」
切原がすぐに終わったために、跡部の身体は中途半端に火が点いていた。
肛門から、とろり、と熱い粘液が溢れ出る。
その感触にぞくっと背中の毛が逆立つ。
アナルがじんじんと疼いた。
先ほどまで腹が立っていたのは、切原を屈辱的にイカせた事で、すっかり治まっていた。
当の切原は恨めしそうな表情をしながら、こそこそとズボンを穿いている。
腕組みをしてそれを呆れたように眺めていた柳が、切原の肩をぽんぽんと叩いてやっている。
「…ふん」
跡部はその様子を横目で見て口端を歪めて笑った。
凶暴な、獰猛な気持ちになる。
もっと、相手を翻弄してやりたい。
自分のこの身体で、好きなようにいたぶってやりたい。
「ほら、二人で来いよ。……俺が欲しいんだろ?」
跡部は嫣然と微笑むと、ゆっくりと足を開いた。















目の前で跡部の引き締まった、艶やかな白い内股が開かれていくのを、仁王はごくりと唾を飲み込んで見つめた。
元々跡部は色が白い。
すらりと伸びた手足は日に焼けて健康そうな色をしているが、内股は目が覚めるように白かった。
尻を浮かすようにして足を広げているので、仁王の目には、先ほどまで切原が入っていた部分が、余すところ無く見えた。
柔らかそうな桃色の襞が、ひくひくと呼吸に合わせて動く。
動くたびにくぷ、と白濁が泡立って、丸い入り口から溢れ出る。
恥ずかしげに動くそこは、眩暈がするほど扇情的だった。
忽ち股間が痛いほど張り詰め、仁王は息を飲んだ。
「…柳生、お前も脱いできんしゃい」
上擦った声で言いながら、ばっと着ていたジャージを脱ぎ始める。
「跡部も、全部脱ぎんしゃい」
あっという間に全裸になると、仁王は跡部の肩にひっかかっていたシャツを脱がした。
滑らかな美しい肌と、ピンク色の可愛らしい乳首が露わになる。
目の前に瑞々しい色の乳首が洗われ、仁王は思わずごくりと喉を鳴らした。
ドクン、と股間が疼く。
一気に下半身が熱くなり、血流が流れ込んでいくのが分かる。
「ふん…」
跡部のバカにしたような声にも、更に身体が燃える。
「結構、でけぇな…」
上体を起こした跡部が、しなやかな腕を伸ばして、仁王の股間を不意に掴んできた。
「…うっ!」
ズキン、と股間が痛み、仁王は思わず瞳を閉じて呻いた。
「遠慮すんなよ……あァ?……どうして欲しいか言ってみろよ」
跡部のひんやりとした長い指に絡め取られて、忽ちペニスがびくびくと蠢く。
「舐めてやろうか…?」
跡部の掠れた甘い囁きに、仁王は瞳を閉じたまま頷いた。
「はッ……素直で、可愛いぜ…」
クスクスと笑う声がしたかと思うと、自分のそこが、ぬるり、と生暖かい濡れた粘膜に包まれるのを仁王は感じた。
はっとして目を開くと、膝立ちになった自分の下半身で、跡部の薄茶色の柔らかな髪が動いていた。
色の濃いペニスが、跡部の紅色の唇から出たり入ったりしている。
ぬるっと飲み込まれると、自分の性器が蕩けそうだった。
「あとべっ、…ちょ、っと待ちんしゃい…っ」
一気に快感が背骨を駆け上がり、仁王は歯を食いしばって身体を震わせた。
「なんだ、もうイっちまいそうなのかよ、あァ?……切原を笑えねぇなぁ……」
笑い混じりの唇に包まれて、ペニスがびくびくと脈打つ。
仁王の表情を上目遣いに見上げてひとしきり笑い、唇からペニスを離すと、跡部はそれを手に持ったまま、背後を振り返った。
背後では、柳生が呆気に取られた様子で、跡部と仁王を見つめていた。
既にジャージは脱ぎ捨てており、膝立ちで突っ立ったままである。
股間は仁王と同じく雄々しくそそりたっており、跡部はそれを視界に入れて灰青色の美しい瞳を細めた。
「一緒に来いよ……ほら」
含み笑いしながら、跡部は四つん這いになって、尻を高く上げて見せた。
柳生に、肛門がよく見えるように殊更足を開き、尻を軽く振る。
「すぐに入れてもいいんだぜ? 遠慮すんなよ…」
「あ、跡部くん…」
柳生が呆然として呟く。
柳生の眼前に差し出された肛門が、微かに呼吸でもしているかのように開いたり窄まったりした。
開くたびに、内部から滴る白濁と、僅かにほの見える鮮紅色の濡れた内壁が柳生の目を射抜き、その刺激がダイレクトに股間を直撃する。
かっと脳が沸騰し、柳生は我知らず、跡部に尻に取りついていた。
白い尻肉はひんやりとしてすべすべだった。
震える手で触れ、尻肉を掴み、アナルに自分のものを押し当てる。
跡部が喉を仰け反らせて笑った。
「来いよ…」
誘われるままに、柳生は一気に砲身を跡部の尻に埋めた。
「く……ッッ」
跡部が喉奧で呻いて、全身を細かく震わせる。
濡れた柔らかな熱い粘膜が、ペニスをちぎれんばかりに締め付けてきては緩み、緩んではまたすぐに締め付けてくる。
ずぶり、と根元まで埋め込んで、柳生は額に流れる汗を拭った。
眼鏡が汗で曇る。
眼鏡をもぎ取るように外して、部屋の隅に放り投げ、跡部の尻に覆い被さるようにして、しなやかな背筋を舐めていく。
「は……んッ……い、いい感じ、だぜ……ッッ」
跡部のどこか陶酔したような声にますます劣情がかきたてられ、がっちりと掴んだ腰を動かそうとして、
「柳生、先に入れちょったな……」
と、仁王の悔しげな声が柳生の耳に聞こえてきた。
















9.10人目