◇支配する快感-2- 3  






「じゅっ、十代目っ!」
あ、結構いい感じ。
獄寺君の余裕のない声にぞくっときた。
なんだかオレも興奮してきた。
こんな事するのも初めてだし、女の子相手だって全く経験ないけど…。
なんだか獄寺君相手ならできそうな感じ。
「ねぇ、獄寺君…」
オレは獄寺君に提案してみた。
「男同士ってココ使うんだよね…。オレ、獄寺君に入れたいなぁ…いい?」
「…十、だいめ……」
獄寺君がオレの指をきゅっと締め付けてきた。
熱くてぬめった粘膜に指を締め付けられて、そこからの刺激が電撃のようにオレの下半身を痺れさせる。
「オレ、こういうの全く経験ないからさ…獄寺君が教えてよ…ここに、入れるって、どうやるの…?」
「……どう、ってその…あの、女と違って、そんなすぐに入るようなもんじゃねぇんで…」
獄寺君が歯切れ悪くもごもごと答える。
ほんのり頬を染めて、俯いて銀色の髪を揺らして。
「じゃあ、どうすればいいのかな…?オレ、獄寺君に入れたい。……いいでしょ、獄寺君…?」
獄寺君がオレの頼みを聞き入れないはずはない。
確信犯なオレ。
指を締め付けたままで獄寺君が視線を忙しなく左右に動かした。
「じゃ、じゃぁ…オレが自分で準備しますから、十代目、待っててくれますか?」
さすが、獄寺君。経験値が違うね…。
オレはちょっと感心した。
指を抜いて獄寺君を見守ると、獄寺君はテーブルの脇の棚の引き出しを開けて、中から何かクリームの入ったチューブを取りだした。
チューブからクリームを指にしぼり出すと、その指を自分の尻へと持っていく。
すごい、卑猥…。
「……っ…」
微かに呻いて、獄寺君はクリームでべとべとの指を自分のアナルへ挿入した。
オレにお願いされたら、ホントなんでもやっちゃうんだねぇ、獄寺君。
君って凄いよ。
自分のズボンを脱ぎながら獄寺君を見守る。
獄寺君が縋るような視線でオレを見上げ、オレが下半身すっかり脱いでしまったのを見て、ぱちぱちと瞬きして、さっと顔を赤らめた。
一応、オレも勃起してたからね。
獄寺君のとは比べ物にならないような、普通の年相応のものでしかないけれど。
オレのペニスを見て、獄寺君は覚悟を決めたようで、なんかやけくそな感じでぐちゅぐちゅとアナルに指を突き入れている。
「十代目っ、も、大丈夫っす…」
アハハ、なんか開き直り?
そういうとこも可愛いけど。
ぐちゅっと指を引き抜くと獄寺君ははぁはぁと肩で息を吐いて、オレの目の前で四つん這いになった。
獄寺君の白くて丸い綺麗な尻と、しなやかな背中、それに尻の間から上品な陰嚢と勃起したペニスが少し見える。
「こっちからのが、入れやすいと思うんで……ど、どうぞ…」
恐る恐る振り向いて言ってくる獄寺君が可愛くてたまらなくなって、オレはにっこりして獄寺君の尻を掴んだ。
尻の間で、桃色のアナルがひくひくと入口を震わせてる。
きゅっと締まったかと思うと緩んで、内部の鮮紅色の粘膜が垣間見える。
…色っぽい。
オレはごくんと唾を飲み込んで、獄寺君のそこに、ペニスの先端を押しつけた。
入りそうで入らない。
獄寺君が俯いて、絨毯に顔を突っ伏す。
恥ずかしいの?
まぁ、獄寺君なりに必死で協力してるらしく、アナルがゆるゆると緩んできた。
獄寺君の腰をしっかりと掴んで、片手を自分のペニスに添えて、ゆるんできた所に一気に腰を進める。
「──……ッッ!!」
獄寺君の背中が綺麗に反り返る。
白くて、肩胛骨が羽根みたいに浮き出て、プラチナの髪が揺れて煌めく。
ぐっと腰を押し進めると、意外とあっけなくオレのペニスは獄寺君の中へと入っていった。
オレの、大きくないからね…入りやすいってのもあるか…。
ぬるぬるとして熱く収縮を繰り返す粘膜に締め付けられて、下半身から激烈な快感が脳髄まで突き刺さってくる。
「…っ、く…ぁ…ッッ…」
獄寺君の掠れた声。
ズキン、と股間に来た。
も、駄目…!
絶頂感があっと言う間にオレを襲う。
オレは息を詰めて、乱暴に獄寺君の腰を前後に揺さぶった。
数度揺さぶって出し入れしただけで、オレは絶頂に達してしまった。
「………ッッ!」
ぞくっとして、ぶるぶると身体が震えて、ペニスの先端から熱い液体がほとばしり出る。
……残念。
あっと言う間に終わっちゃったよ。
でも、ものすごく気持ちよくて、全身がなんだか痺れた。
ぼうっとしたまま獄寺君から離れて、絨毯の上にぺたん、と尻を着く。
すごく、気持ちがいい。
頭の中に快楽物質が大量に放出されて、オレの全身に回っていくみたいな感じ。
「十代目……大丈夫っすか…?」
獄寺君が恐る恐る声を掛けてきた。
「あ、ごめん、君、まだイってなかったか…」
獄寺君のペニスはそそり立ったままだった。
右手を伸ばしてぞんざいに獄寺君のペニスを掴むと、獄寺君が息を飲んで身体を堅くした。
熱くて堅くて弾力があって、…太い。
指に力を込めて潰すようにしながら根元から扱くと、獄寺君が眉をキュッと寄せて唇を噛む。
綺麗だね、獄寺君。
君はどこも綺麗だよ。
髪の毛も、瞳も唇も、ペニスもお尻の穴も…。
「じゅ、だいめっっ……だ、めっすよっ…!」
身体を引こうとするのをペニスをぐっと握りつぶす事で押しとどめ、ぎゅっぎゅっと握って先端までぐりぐりと指で擦ってやる。
「……あ、ッッッ!!」
獄寺君がぶるっと震えて、同時にペニスがどくんと脈打ち、先端から白く濁った粘液が勢い良く飛び出した。
…と、絨毯の上に飛び散っちゃった。
オレの手にもかかって熱くて特有の匂いが立ちこめる。
獄寺君の内股も、オレのが流れだしてきたのか、つっと白いものが伝っている。
「十代目、手、すいませんっ!」
獄寺君が慌ててティッシュを数枚取り、オレの手を拭いてきた。
「十代目の手を汚してしまって……ホント申し訳ないっす!」
動くと、お尻が痛いんだろう。
眉を寄せながらも、一生懸命ティッシュでオレの手や股間を拭いてくる。
ホント獄寺君って、オレの事大切にしてるんだなぁ。
しみじみ思ってしまって、オレは少し感慨に耽った。
──だってさぁ。
オレに言われて、オナニーしてみせて、オレに犯されていいようにされてるのに、それでもオレの事第一に考えて尽くしてくれるんだもんねぇ。
なんて健気なんだろう。
涙が出ちゃうよ。
可愛いな、獄寺君。
オレもちょっと優しい気持ちになった。
「獄寺君、ありがと。…痛くなかった?」
「い、痛くなんか。十代目にして、いただけて、その、光栄っす…」
獄寺君が頬を染めて俯いてぼそぼそと言う。
あまりにも可愛かったから、獄寺君の顎をぐっと指で掴んで顔を上げさせて、ちゅっと獄寺君の唇にキスをした。
キス……だってしたことないんだけどさ。
まぁ、なんか、なんでもできる気分になったわけ。
獄寺君ってオレをそういう気分にさせるんだよね。
「じゅ、十代目…」
獄寺君が嬉しそうに目を輝かせた。
「そんなに嬉しい?」
「はい…」
こくん、と頷く様がまた可愛い。
ダイナマイトを持ったら敵なしの君がねぇ…。
「…と、勉強、しないとね。オレ、明日問題当たるし」
「あ、は、はいっ…じゃ、勉強しましょうかっ…」
獄寺君が慌てて、服を着直して、テーブルの上の教科書に顔を向けた。
でも、やっぱりお尻は痛いみたいだ。
時折顔を顰めている。
オレが入った所……。
獄寺君とセックスしたのかぁ……。
改めて考えてみたら、なんか不思議な気がした。
「獄寺君……」
「なんすか、十代目…?」
「ねぇ、お尻でやったのって、初めて……?」
「十代目っ……も、勿論っす……初めてっす…」
獄寺君が視線を忙しなく左右に彷徨わせる。
恥ずかしそうにしてる所がまた可愛い。
「じゃあ、獄寺君の初めてはオレのものだね?」
「…初めてだけじゃなくて、オレは全部、十代目のものっすから……はい…」
うわぁ、なんて健気で可愛い事を言ってくれるんだろう…。
そんな事言うと、もっと意地悪しちゃうよ?
オレがどんな酷い事をしても、獄寺君はそう言ってくれるのかな?
──なんて考えが浮かんだけど、オレは肩を竦めてとりあえずそれは考えない事にした。
今日は可愛い獄寺君をオレのものにしたからね。
それだけで満足だから。



「じゃ、勉強しよっか?」
オレはさっぱりとした声で獄寺君に言うと、教科書に向かった。








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