◇お年玉  3







「うお゛……」
スクアーロが驚いたような声を上げる。
無意識に足を閉じようとするのを、両手でぐっと掴んで押しとどめて、山本はペニスを掬い上げるようにしておもむろに口に含んだ。
「う゛お゛おぃ!何すんだぁ!」
部屋中響くような大声が響いて頭の中がキンキンするが、掴んだ手は離さない。
「お年玉なんだから、動いちゃ駄目だって…オレにくれたんだろ?それとも嘘なのか?剣士は嘘つかねーよなー、スクアーロ?」
「う゛ー…」
スクアーロがしまった、というような表情をする。
悔しげに眉を寄せ顔を背ける所が可愛い。
しかし、スクアーロって一体どんな私生活を送っているのだろう…。
なんとなく気になった。
まぁ、自分なんかよりずっと大人だから、勿論女性と…スマートな付き合い?とかしてるんだろうし、後腐れ無く遊んでるのかも知れない。
なんといってもイタリア人なんだから、その辺はもうすごく進んでたりして…。
などと考えると妙に腹が立った。
自分がこんなにスクアーロの事好きなのに……きっと分かってない。
分かってないからこそ、あんな無防備に股間見せてくれたり、こうして触らせてくれたりするんだ。
男として見てもらってないっていうか……そもそも危険人物とか全く思われてないっていうか。
歯牙にも掛けられてないってやつか?
そう思ったらますます苛々してきた。
その苛だたしい気持ちのまま、口に含んだペニスにぎゅっと歯を立て、薄い皮膚を引っ掻くようにして顔を前後させる。
スクアーロがびくっとしたのが分かったけれど、知らない振りをして続ける。
刺激に忠実な性器はたちまち硬度を増して、口の中で堅く芯を持って勃ち上がってきた。
「う゛お゛おぃ……も、よせぇ…」
スクアーロが弱々しい声になる。
きっと困ってるんだろう。
なんとか逃れたいって思ってるんだろう。
でもそんなの許さない。
オレがどんなにスクアーロの事好きか、分かってないんだから、……スクアーロが悪いんだ。
「なー、なんか、どきどきする。オレもこんなになっちゃったのな」
わざとらしく明るい声で言って、山本は一度顔を上げると、にかっと笑いながら素早く服を脱いだ。
脚を開いたままぼーっとしていたスクアーロがはっとなる。
長い銀髪をベッドの上に乱したまま山本を見上げて眉を寄せる。
「テ、テメー、でけぇな……」
確かに、山本のソコは、スクアーロにフェラをしていたせいですっかり興奮し、腹に着くほどにそそり立っていた。
なんといってもヤりたい盛り、性欲満開の高校生。
いつもは野球と剣道で発散させているとは言え、今は目の前に美味しそうな獲物が脚を開いているのである。
これで勃起しないはずがない。
山本も自分のモノを見下ろしてみた。
びくびく脈打って、先走りがすっかり滲み出ている。
どくんどくんと血流が身体中をうねって、全身が火照ってきているから、全裸になっても全く寒くないどころか、汗までかいている。
脳内が沸騰し始めた感じで、目の前の白くしなやかな身体に向かってダイブして貪りたいという衝動に突き動かされる。
「あーなんかもう我慢できねー!スクアーロごめん!」
「う゛お゛おぃ、なにする!」
「お年玉って言ってくれたんだからスクアーロは抵抗しないこと!」
もう……あとは野となれ山となれ。
山本はスクアーロに圧し掛かった。
両脚を掴んでぐいっと折り曲げ、スクアーロの胸に着くぐらいに押し上げる。
真っ白な美しい尻が露わになる。
中心の、色の濃い綺麗な襞の集まった入口を見つけると、目の前がくらっとなった。
夢中でそこに自分のペニスを押しつける。
腰を回して先走りを塗りつける。
「う゛お゛おぃ、山本っ、ちょ、ちょっと待ったぁ!な、にすんだぁ!!!」
大声は出すけれど、あまりの驚愕に抵抗を忘れているらしい。
いや、どんな時でも、結局の所相手が自分だから、抵抗とか拒絶とか、そういうのができないんだろう。
そこがスクアーロの優しさであり、甘いところでも………あるよなぁ…。
山本は気を逃さず一気にスクアーロの後孔へ男根を挿入した。
「うぎゃッッッッ!」
色気のない声がまたそそる。
可愛い。
ぐっと腰を突き出してぐいぐいとスクアーロの体内に堅い竿を埋め込んでいく。
こんな事をするのは(勿論女の子とは経験はあったけど、男とは)初めてだったけど、スクアーロが本気で抵抗しないせいか、すごくスムーズに事が運んだ。
根元まで深々と埋め込んで、一度息を吐く。
スクアーロに覆い被さって両脚ごと抱き締める。
スクアーロの身体はとても柔らかくてかなりアクロバティックな体勢にしても大丈夫な感じだった。
抱き締めて唇を重ねて強く吸う。
それからスクアーロの頬や首筋にもキスをする。
「あ゛、…あっう゛お゛っ………ば、か……ッッッ、や、め、ろぉ………ッ」
ヤメロとか今更言われても後の祭り。
──ってか止めるつもりないし。
ゆさゆさ揺さぶって激しく出し入れを始めると、スクアーロが堪えきれないように甘い喘ぎを漏らし始めた。
「あ、あん…ぁぁあ─……っ、ん゛ん゛ッッ……い゛……ッッッ!」
結構慣れてる感じだ。
イタリアでやりたい放題なんだろうか。
XANXUSととか……あるいは、ディーノさんとか……。
などと考えるとかぁっと頭の中が熱くなって無性に腹が立ってなぜか意地悪い気持ちになって、山本はスクアーロを乱暴に揺さぶってぐりっと内部を抉ってやった。
「あぁぁぁぁ!だ、めだぁッ…やまもとぉ…ッッッ!!」
自分の名前を確かに呼んでくるスクアーロに更に欲情する。
今スクアーロを抱いてるのは自分だって証明してくれてるようで、身体中が興奮で猛ってくる。
「スクアーロっっ!」
はぁはぁ息を切らせながら、ペニスをぐぐっと突き入れては熱くまとわりついてくる内壁を突き、腰を回して相手の感じる部分を探していく。
ある一点に辿り着くと明らかにスクアーロの反応が変わった。
「あぁぁっ、や、だめだぁッッッッ!」
悲鳴を上げ、身体を捩らせて背中を反らせ銀髪を振り乱す。
(すげー!)
そこを重点的に責めれば、銀蒼の美しい瞳からきらりと光って涙の粒が滴り落ちる。
我慢できずに右手でスクアーロのペニスをぎゅっと握って扱けば、更に身を捩らせ、太腿を引きつらせて悶絶する。
可愛い。
こんなに色っぽくて可愛いなんて…。
目の前がくらくらした。
手の中のペニスがぐぅっと膨らんだ。
堅い芯を絞り出すようにして扱くと、
「う゛あ゛ぁ──ッッッッ!」
手の中でそれが弾け、熱い粘液が大量に迸るのが分かった。
ぞくぞくした。
脳内が沸騰して堪えきれなくなる。
山本はスクアーロの体内にぐりっと奥深くまでペニスを突き立てると、そこに思うさま射精した。










「くそ、小僧がぁ……テメー、詐欺だぁ!」
身体を解放するとベッドにぐったりと脚を広げたまま伸びていたスクアーロが、暫く立ってから顔を上げ、ぎろり、と山本を睨んできた。
「ンな事までしていいと言ってねぇだろうがぁ!」
開いた両脚の間から、とろり、と自分の放った白濁が滴り落ちている。
濡れそぼった濃い銀色の陰毛には、スクアーロ自身の精液が掛かって、腹筋で引き締まった腹も濡れている。
これ以上ない淫猥な光景だ。
さすがに頬を赤くしつつも、山本はにかっと笑った。
「お年玉、ありがとうな!」
「お年玉ってのはよぉ、こういうんじゃねぇだろうがぁ……。金じゃねぇのかぁ…」
乱れた銀髪を掻き上げて、スクアーロが弱々しく顔を振る。
「なんだぁ、知ってたのか。でもすっげー嬉しかった、スクアーロありがとうな!」
そう言って山本はスクアーロの頬に軽く口付けをした。
「お゛、おぉ……」
スクアーロが戸惑って頬を赤らめる。
(ホント可愛いよなぁ、この人。分かってんのかな、自分が誘ってたんだってさ…)
きっと分かってない。
こんなんじゃ、イタリアでだって、誰が目を付けてくるか分かったもんじゃない。
XANXUSとか、大変だろうなぁ……などとなんとなく彼の上司の苦労が想像できるようで、でもこんな可愛い部下を持っているのが羨ましくも思えて、
(……だって、スクアーロだもんな…)
山本は頭を振って肩を竦めた。








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