忍足の災難 《2》
「ぅ………く………ッッ」
「……あっ、忍足先輩っ!!」
グチュグチュと湿った水音が、耳に五月蠅い。
鳳のものはかなり大きかった。
体格が大きいから、局部がそうなのも当然なのだが。
おかげで忍足はかなり痛みを感じていた。
「痛……って、いた………ッ!」
「忍足が痛がるなんて、珍らC!」
ジローが新たな発見でもしたかのように言う。
「鳳ってすごいんだねっ。ウラヤマC! オレも忍足をこんな風に泣かせてみてぇ!」
「なにアホいうてんねんっ……うあッッ!」
ジローと岳人。
この二人にかかったら、どんな抵抗しても無駄だとよく分かっているので、忍足も今まで随分とイタズラされてはきた。
しかし、今までは他人を巻き込むことはなかった。
だから今回、二人が鳳を巻き込んできたことには閉口していた。
そして、鳳が二人の誘いに乗ってきたことにも、大いに閉口していた。
なんでやねん…………!
どうして、鳳にまでやられなくてはならないんだ?
------納得行かない。
ジローや岳人は、言っても無駄だからしょうがないし、結構人なつこく懐いてくるところが可愛いので、忍足自身もついつい許してしまう甘さがあるのは承知していた。
しかし、いくらなんでも、鳳まで引き込むってのは酷すぎやしないか?
こいつ、大きいし、痛くてかなわんわ………。
鳳に思いきりペニスを突き込まれて、忍足は額に脂汗を浮かべた。
はっきり言って、痛い。
もうちょっと、気遣って欲しい。
たとえば、自分のを扱いてくれるとか。
もう少しゆとりを持って動くとか。
そういう事が出来ない所が、鳳なんだろうが。
「ちょ、ゆっくり………」
痛みを堪えかねて、忍足は懇願するように鳳に言った。
「……あ、すんません……」
鳳が慌てて抜き差しをゆっくりにする。
そうすると少し余裕が生まれて、忍足は溜め息を吐いて、それから痛みを少しでも紛らわせようと、鳳に合わせて腰を動かした。
「なーーんだ、痛がってる割に、忍足ったら、いい感じじゃん!」
ジローがえへへ、と笑いながら言ってきた。
「アホ言うな。痛いのいややから、協力してるんや!」
「鳳もさ、初めての割にうまいよね。これなら宍戸も大満足なんじゃん?」
「そ、そうですかね?」
褒められて、鳳が頬を紅くする。
「でも宍戸は忍足よりずうっと狭そうだから、すっごく痛がるかもな……」
岳人がジローと一緒になって忍足を押さえつけながら言ってきた。
「忍足先輩は、狭くないんですか?」
「侑士はオレたちで広げたんだよな!」
「ば、ばかっ、ガクトっ、恥ずかしいこと言うなや!」
「宍戸を開発するのは鳳だよな?」
ジローが笑う。
忍足は頭痛がしてきた。その時。
「お、おい、……何やってんだ…………!」
後ろでがた、と音がして、音のした方を見ると、宍戸が真っ青な顔をして立ちすくんでいた。
「あ、し、宍戸さん………」
振り返った鳳が、さすがに狼狽した声を出す。
「………おい、長太郎、なにやってんだよ……」
「な、なにって……」
「ナニだよな!」
そこに、ジローの素っ頓狂な明るい声が割って入った。
「宍戸との本番の前に、練習してっとこ!……な、鳳?」
「は、はぁ、そうなんです、宍戸さん。……宍戸さんに気持ち良くなってもらうのに、練習しておいたほうがいいって、その、ジローさんとか、向日先輩が……」
「し、宍戸っ、鳳なんとかしてやっっ!」
味方が来た!
忍足は忙しい息の下から、宍戸に向かって哀願した。
「痛くてかなわんわ……こいつ、大きすぎや……」
しかし、宍戸は肩をわなわなと震わせて、凶暴な目つきになっていた。
「て、てめぇ………オレより先に長太郎と…………!」
あかん……宍戸のヤツ、嫉妬でヘンなっとる……。
宍戸は自分の味方をしてくれると思っていたのに。
宍戸が鋭く自分を睨んでくるのを見て、忍足はがっくりした。
「……おい、長太郎、ちょっと離れろ」
「えっ、宍戸さんっ?」
「ほら、離れろよっ!」
ぐい、と鳳の身体を忍足から引き剥がして、宍戸が忍足を睨み付けてきた。
「宍戸さん、忍足先輩は悪くないですよ!」
鳳が後ろで必死に言うが、それも宍戸の嫉妬心に油を注ぐことになったらしい。
「テメェ、忍足とやれて、気持ち良かったんだろ、ああ? 長太郎?」
「そ、そんな事、ないです………あくまで宍戸さんとやってるつもりで……だって、オレ、宍戸さんの事しか好きじゃないですから!」
………て、オレ、なんや酷い役回りやないか………。
忍足は深く溜め息を吐いた。
「な、宍戸、鳳もああ言うてることやし、もうええやろ?」
「良くねえ! 長太郎が忍足と浮気したっていうんなら、オレも忍足と浮気してやる!」
「え、ええ? な、なにするんや?」
突然、宍戸がハーフパンツを引き下ろして、中から性器を掴みだして扱きながら自分のアナルに押し付けてきたので、忍足は仰天した。
「あれっ、宍戸もやるの?」
ジローが嬉しそうに声をあげた。
「宍戸、運がいいね? 忍足とやれるなんてさ!」
「全くだな、宍戸。侑士はすっげぇ具合いいんだぜ?」
「あ、あかんって宍戸っ………うぅッッッ!!」
忍足の狼狽した声は、呻き声に取って代わられた。
宍戸が思いきり性器を突き込んできたのだ。
さっきまで鳳の巨根を受け入れて解れきっていたそこは、容易に宍戸を飲み込んだ。
「くそっ!!」
宍戸が舌打ちして、忍足の尻に腰を激しく打ちつけてくる。
「ど、どうだよ、長太郎! オレのこんなトコ、見たくねえだろ?」
「し、宍戸さん………オレ………」
鳳がおろおろして途方に暮れている。
「イ−じゃん、別に! 鳳はぁ、別に忍足のこと好きでもなんでもないんだし、ただ孔の具合とか、見てただけじゃんよ。宍戸もそんなつまらねえこと気にしないで、忍足の身体で気持ち良くなればいいんじゃん!」
ジローが笑いながら言ってきた。
「侑士、すっげえ具合いいだろ?」
「テメェら、いっつも忍足とやってんのかよ?」
「そう、オレたち、忍足とは孔友達だもんね!」
「そんな勝手な事言わんと………ぁッッッ!!」
全く自分を無視して繰り広げられる会話に、さすがに忍足も頭に来た。
が、反論しようとした所を、宍戸にぐぐっと突き込まれて、喘ぎ声になってしまった。
宍戸はそのまま何度も腰を打ちつけて、最後に一際忍足の内部にペニスを埋め込むと、その最奥で熱い粘液を迸らせた。
「長太郎、おまえまだイってなかったろ? ほら……」
そう言って宍戸が、入ってきた時と同じく勢い良く忍足の中からペニスを引き抜いて、代わりに鳳を忍足の脚の間に押し込んだ。
「え、宍戸さん? で、でも………」
「いーんだよ、おまえもイけよ。そうすればオレもおまえも忍足とやったっていう点では同じになるもんな。その方があとくされなくていいや」
「……そ、そうっスか………じゃあ……」
忍足が息を吐く暇もなく、すぐに鳳の巨大なペニスが入ってきた。
宍戸よりも一回り大きな肉棒に、忍足は息が詰まった。
「も、もう、あかんって………お願いや………」
いくら忍足が忍耐強く身体が強健であるといっても、さっきからずっと入れられて身体を揺さぶられている。
内臓が吐きそうになるほど押し上げられるし、ジローに拘束された腕や足は痛むし、さんざんだった。
「すんません、忍足先輩、すぐにイきますから」
そう言って、鳳が律動を再開したとき、忍足はぐったりして声を出す元気もなくなっていた。
ちょっと酷すぎ(笑)