love affair 
《1》













「あッ……は……んんッッ………あんッ…あ……くつッッ……んッッ!」
「……千石、ちょっと黙れよ」
後ろから勢い良く抜き差しされて、腰から下が熱湯にでも浸かったかのように熱く蕩けている。
その、とろとろになった内部に、亜久津の大きく硬いペニスが容赦なく突き刺さってくる。
これで、黙れとか言われても困るんですけど……。
だって、気持ちよくて、声でも出さないと、失神しそう。
オレは頭を振って、それから少しでも声を出さないようにと、掴んでいたソファの布を更に強く掴んだ。
ここは部室で、オレは今、亜久津とセックスの真っ最中だった。
今日、久しぶりに亜久津が部活に出てきた。
亜久津が部活に来る時っていうのは、オレとやりたくなった時だ。
いつものように、鍵当番のオレが最後に部室に入っていった時、亜久津はソファにごろりと寝転がって、タバコをくゆらせながら、オレを待っていた。
「千石、おせえぞ」
「あ、メンゴメンゴ……片づけに手間取っちゃって」
「能書きはいいから、こっち来いよ」
ぐい、と手を引かれて亜久津の腕の中に倒れ込む。
亜久津はオレを身体の下に抱き込むと、手慣れた様子でハーフパンツを脱がしてきた。
「あ、ん、ちょっと待って……!」
亜久津にぎゅっとペニスを握られて、ずきん、と甘い戦慄が背骨を駆け昇る。
鼻に抜ける甘い声が出た。
亜久津が唇の端を吊り上げて笑う。
「用意はしてあるぜ」
亜久津はそう言って、ソファの側のテーブルの上に置いてあるジェルとコンドームを指さした。
「テメエのバッグから取っておいたぜ」
「あ、そう………手際、いいね、亜久津……んあっ……んッッ!」
俯せにさせられて、ジェルをたっぷりと掬った亜久津の指が、アナルに埋め込まれる。
「ん……ん……あくつ………あ…ッッ!」
中で指をくいくいと動かされ、感じる点を巧みに突かれて、たちまち目の前が霞んだ。
もっと、して欲しい。
何もかも考えられなくなるくらい、オレを翻弄して欲しい。
「随分ノリがいいな、千石……」
尻を突き出して、ねだるように脚を広げて誘うオレに、亜久津が苦笑した。
「ここもほぐれてるしな、あんま前戯しないでOKみてえだな、千石?」
そう言って亜久津は、唐突に侵入してきた。
「んッッ!!」
ずん、と頭の先まで重い快感が突き抜ける。
痛くはなくて、もう、どうしたらいいか分からないほどの疼き。
そのまま亜久津が勢い良く抜き差しを始めると、オレはなんにも考えられなくなった。
亜久津が入ってきて、出ていく。
そのたびに内臓がひっくり返るような衝撃と、甘い快感が全身を襲う。
「あっあっあっ……あくつッ……あッッッ!」
ソファに顔を押しつけて、尻を高く上げて、亜久津を根元まで受け入れる。
こんなに気持ちよくて、オレ、死んじゃうよ。
どうして、こんなに気持ちいいんだろ?
亜久津とは、久しぶりだからかな。
「亜久津ッ………んあッッッ!!」
その時、絶頂がやってきた。
オレが身体を痙攣させながら射精すると、亜久津も少し遅れて、オレの中に熱い精を放った。















「なんか、感度良くなったんじゃねーの?」
終わってソファにだらしなく座ってタバコに火を付けながら、亜久津が言ってきた。
「誰かに可愛がられてんのか、千石?」
「……可愛がられてはないけど……強姦はされたかな……?」
「……あ? なんだよ、それ……」
亜久津が眉を顰める。
「テメェ、強姦なんかされるようなタマかよ。テメェが襲ったんじゃねーの?」
「アラひどい、亜久津までそういう事言うんだ……」
「だって、テメェのキャラからしたら、そうだろ?」
亜久津がバカにしたように笑って、オレも肩を竦めて笑い返した。
「オレにもちょうだいよ……」
手を伸ばして、オレは亜久津の指からタバコを奪った。
深く吸い込むと、頭の芯がくらっとして、身体がじんわりと痺れる。
「あーあ……」
「……どうしたよ?」
オレが溜め息なんかついたものだから、亜久津が問い掛けてきた。
「うん、オレねえ、……好きな人、できたかも……」
「……ああ? 良かったじゃねえか?」
「……でもね、その人に、強姦みたいな感じで犯されたんだ。けどさ……なんっていうか、好きなんだ……」
「なんだよ、強姦されたってのはそいつか………しかも男かよ……」
オレが女好きなの知ってるから、亜久津はてっきり好きな人というのが女性だと思ったらしい。
オレの話を聞いて、亜久津が秀麗な眉を顰めるのと、オレはぼんやりとソファに寝転がったまま見つめた。
「んで、そいつに可愛がられて、感度が良くなったって訳か?」
「……よくわかんない……でも、オレ、感度良くなってる? 亜久津も良かった?」
「まぁな……」
「じゃ、彼にも悦んでもらえるかなぁ……」
「バカか、テメェ……」
亜久津がやれやれと言った感じで立ち上がった。
「テメェもホント、おめでたいヤツだよな、千石……」
「亜久津まで、酷いよ〜」
ちょと拗ねた感じで甘えてみると、亜久津が肩を竦めた。
「なんだよ、誘うとまたやるぜ?」
「して………?」
亜久津に見えるように足を広げて、オレは自分のペニスをゆっくりとしごいた。
しごきながら、アナルに指を伸ばして、ぐっと差し込む。
「あん……あ……亜久津………ね、もう一度、しよ?」
「テメェ、本当にインランなのな……」
亜久津が呆れたような声を出しながら、それでもオレの身体にのし掛かってきた。
足を思い切り広げられ、アナルに亜久津のペニスが押し当てられる。
この瞬間って、好きなんだ。
挿入の衝撃とか痛みとか、そういうのを予想して身構える一瞬が。
「うあッッッ!!」
すぐに亜久津が入ってきた。
狭い内壁を抉るように突きながら、ぐいぐいと奥の奥まで侵入してくる。
「あ……くつ……あくつ……ッッ!」
亜久津とオレとは身体の相性がすごくいい。
それだけでなく、後腐れのないセックスフレンドという立場も、オレにとっては気楽だった。
「あ……は……んッッ」
身体が溶ける。
熱くて、脳まで溶けて、気持ちよくて死にそうになる。
「あ……あッあッ……亜久津ぅッッッ!!」
亜久津の身体にぎゅっとしがみついて、オレは亜久津との行為に没頭した。

















インラン系キヨ。でも純情(どこが^^;)