love affair 
《3》













夕食の後、豪華なバスに浸かって、忍足が用意してくれたバスローブを羽織って部屋に戻ると、忍足は飲料水とお菓子をテーブルの上に広げて、オレを待っていた。
「……映画でも見る?」
「なにがあんの?」
「キヨの見たいもん、なにや?」
なんだか、こういう話をしていると、本当に恋人同士みたいだ。
オレは背中がこそばゆくなった。
--------どうしよう。
こういうの、オレ、実は慣れてないんだ。
オレって基本的に、いっつも身体だけのお付き合いだったから。
女の子とも、こういう風に親密になったこと無いし。
こんな風に気を使われることもなかった。
だから、よけい戸惑った。
「なんでもいいよ……」
「じゃあ、この間借りてきたヤツでええ?」
忍足が手に取ったのは、数日前にレンタル開始になったばかりの新作だった。
ロードショーですっごく人気があって、レンタルが開始されたらオレも見たいなと思っていたアメリカ映画。
映画が始まると、オレは結構夢中になった。
「……キヨ……」
画面に集中しているオレの肩を、忍足がそっと抱いてきた。
そのまま優しく肩を撫でられて、それから、ちゅ、と頬に口付けされる。
「あ……ん……忍足君………」
「かわええな、キヨは……」
そう言って忍足が、何度もオレの頬や耳にキスを落としてくる。
じーんと心が温かくなって、オレは無意識に忍足に身体を預けた。
こんな風にいちゃいちゃしながら映画見るって、すっごく気持ちいい。
「キヨ………」
忍足の低い澄んだ声が、オレの名前を何度も呼んでくる。
それにもぞくぞくした。
「あッ……あん………ッ」
バスローブをはだけて、忍足がオレの胸を愛撫してくる。
「映画……見れない………」
「……なァ、あとでまた見よ? ごめんな、見てる途中で………」
謝ってくる忍足君が誠実で、オレはじぃんと感動した。
なんか、こういうのって、………すっごくいいよね。
愛されてるって感じで。
オレは嬉しくなって、忍足に甘えるように身体を押し付けた。
「好きや………」
何度もそう言いながら、忍足がオレを絨毯の上に押し倒してきた。
バスローブの裾を割って、太股そっと撫であげられる。
「……あ……ああッ!」
オレは下着を付けていなかったので、忍足の手がダイレクトにペニスを愛撫してきた。
「や……んッ……あ……ッッ」
くちゅ、と濡れた音が、映画の音に微かに混じる。
「……映画、あとでな?」
忍足は起用にリモコンを操作して、画面を消した。
「ん………んッッ……」
オレはもう、身体がすっかり興奮していた。
優しくされて、恋人気分で、心も身体も忍足を待ちこがれていた。
自分から脚を開いて、忍足の目に秘部を晒すようにして彼を誘う。
「キヨ………」
しゅる、とバスローブの帯が解かれ、オレの脚を忍足がぐっと広げてきた。
「ここ、もう、こんなになってるやん……」
忍足が笑いを含んだ声で言いながら、オレのペニスを口に含んできた。
「……っ!」
目の前がちかちかする。
ざらりとした舌で舐め上げられ、歯で先端を軽く噛まれ、オレは顎を仰け反らせた。
「忍足………くんッッ……!」
気持ち、いい。
どうしよう。
オレ、………困るよ、オレ……。
でも、ホントに、気持ちいい。
「ひぁッ……!」
不意に忍足が、オレのアナルに指を差し入れてきた。
鋭い電流が背骨を駆け抜けて、オレは思わず掠れた悲鳴を挙げた。
「あ……まだ……駄目……ッッ」
1本でも、慣らしてないとやはり痛い。
オレが上半身を揺らしてそう言うと、忍足は床に放り投げてあったオレのバッグを開けて、中からジェルを取り出してきた。
「……これ、使わせてもらうな?」
たっぷりとすくい取られたジェルが、オレのアナルに塗り込められる。
体温でジェルが溶けて、それとともにオレは、内部までじんじんと痒みにもにた疼きが広がるのを感じた。
もっと、入れて欲しい。
「忍足君………」
オレの願いが分かったのか、忍足は指を一気に3本に増やして、アナルに突き刺してきた。
「……はッッ!!」
脳天まで電光が突き抜けて、オレはたまらず呻いた。
腰から下がどろどろに蕩けていくようだった。
溶けた金属のように熱くて、火傷しそう。
「あ……ん、ん……ッッ」
忍足の長い指が内部を微妙に刺激しながら突き入れられ、内部で折り曲げられる。
オレは脚をこれ以上できないほど広げて、忍足に腰を突き出すようにした。
「気持ちええようやな………」
ぐちゅぐちゅと内部を掻き回しながら、忍足が囁いてきた。
「う、うん……気持ちいい………」
譫言のように繰り返すと、忍足が、
「ほんとに可愛ええわ、あんた、最高や………」
と掠れた声で言ってきて、それからおもむろにぐいっと脚を掴んできた。
「俺ももう、我慢できひん………挿れるで?」
蕩けた入り口に、固い凶器が押し当てられたのを感じて、オレは身震いした。
早く、入ってきて欲しかった。
貫いて、オレを翻弄してほしい。
「あ、あっ……ああッッッ!!」
ずうん、と重く鈍い衝撃と共に、忍足はオレの最奥まで一気に楔を打ち込んできた。
身体がずり上がりそうになるのを押さえられ、オレは歯を食いしばった。
「うッ……くッッ……!」
内臓を全て食い破られるかと思うほど、忍足は深く入ってきた。
いや、物理的にそんなに入るわけがないから、それはオレの思い過ごしに違いない。
が、それほど、その時のオレは感じていた。
「あッ………あッあッおした……り…くん………ッッッ!」
間髪を入れず、忍足は激しく抜き差しを始めた。
身体をがくがくと揺さぶられ、その度に目の前に火花が散るような気がした。
身体の芯まで蕩けて甘く疼いて、オレは死にそうだった。
どんな声をあげているかも、自分ではもはや分からなかった。
ただ、忍足にしがみついて、自らも腰を振っていた。
「キヨ………ほんまにアンタ……可愛ええよ………」
そんな忍足の囁きに、全身が総毛立つ。
「あ……ん……あん………あッッッ!!」
忍足君を好きになれたらいいのに。
快感に霞んだ頭で、失神寸前、オレはそんな事をぼんやり考えていた。

















ラブラブな二人。忍足君のほうがキヨを幸せにしてくれそうです。