放課後の部室












「おいジロー、いい加減に起きろよ」
なんだかさっきから頭の上でうるさいんだよね。
オレはぼんやり目を開けた。
視界を一杯遮って、跡部の茶色い頭が見えた。
下を向いているから、さらりとした髪が垂れ下がって、目元に少し掛かっている。
-----あれ? なんだか跡部ったら、ほっぺたがちょっと赤いよ。
……どうしたのかな?
と思って、オレが跡部をじっと見上げたら、跡部のヤツ、オレと目線が合った途端、さっきより頬を赤くして、視線を逸らした。
------あれれ? 本当にどうしたのかな?
「ふぁーあ」
欠伸をして、腕をうーんと伸ばして、オレが部室のソファから起きあがるのを、跡部はちらちらと横目でうかがってる。
------ヘンなの。
いつもの跡部とちょっと違うじゃん。
さっきから一体オレの何見てんだろ?
そう思って、跡部の視線の先を辿ると。
………ありゃ、勃っちゃってる……。
寝てる間にオレのペニスったら、すっかり元気になってたみたいだ。
制服のズボンを押し上げて、テントを張っている。
跡部ったら、これ見てたんだ。
………やらしい-----!
オレは嬉しくなって、跡部の手をぐい、と引いて、オレの大きくなってるペニスに触らせた。
「ジ、ジロー!」
跡部が慌てて離れようとする所を更にぐいっと引き寄せて、腕の中に抱き込む。
跡部、抱き心地いいんだよね。大好き。
ふんわり、甘くていい匂いがして、肌なんか、滑らかですべすべで。
ずうっと触っていたくなっちゃうんだ。
「ねぇ、跡部、オレのココ、見てたよね?」
「バカ言うんじゃねえよ、離せよ」
跡部が口ごもる。
口では強がってるけどさ、跡部だって、満更でもないくせに。
オレ達、ずっと一緒に学校通ってるから、よく知ってるんだ。
「……ね、跡部」
オレはペニスを握らせた跡部の手を、上からぎゅっと押さえつけた。
「ココ………舐めて?」
「バっ、何言ってんだよ!」
「いいじゃん。跡部ってオレの事、好きじゃん?」
跡部が真っ赤になった。
跡部とは、小学校の時、キスしたこともある。
それに、中学入った頃だけど、跡部と触りっこしたこともある。
それからだんだん行為がエスカレートしていって、最近ではこれ。
跡部にさ、オレのペニスを舐めてもらってるの。
そういう時の跡部って、顔を真っ赤にして俯いて、でも決して止めないんだ。
跡部だって、本当は嬉しいんだよね。
いつも澄まして、偉そうにしてるけど、実はとっても純情で可愛いくて、オレのお願い聞いてくれる。
だから、この時も、オレは押しまくった。
押せば跡部は折れてくれるもんね。
オレの頼み、断れないもんね、跡部?
「ね、いいよね?」
オレはそう言いながら、ズボンのジッパーを下げて、中からペニスを取り出した。
跡部がぎょっとして目を背けようとする所を、頭をぐっと掴んでペニスに押し付ける。
「……ジロー!」
「ねぇ、跪いて」
オレはソファに脚を開いて座ると、脚の間に跡部を無理矢理跪かせた。
跡部はなんだかんだ言って、オレのお願いとか聞かない時は無いから、この時も絶対やってくれるって思ってた。
「けぇご………やって?」
二人きりの時は、オレは跡部のことをけぇごって呼ぶ。
そう呼ばれると、跡部は嫌そうな顔をするけど、でもオレは知らない振りをして呼ぶ。
呼んでると、絶対跡部が折れてくれる。
にこにこして跡部を見ていると、跡部が溜め息を吐いて、オレのペニスを恐る恐る掴んできた。
白くて、爪の形の良い、綺麗な指で。
掴まれた瞬間、オレはびくん、とペニスを揺らした。
その拍子に跡部の唇にペニスの先端が当たって、先走りのぬめりが唇に付いたみたいだった。
跡部が盛大に顔を顰めた。
ぞくぞくと嬉しくなって、オレは跡部の頭を掴んだ手で、ぐいっと跡部の髪を引っ張った。
「いってぇ!」
跡部が叫んだけど、構わずぐいぐい引っ張る。
無理矢理跡部の唇にペニスを押し付けて、それからオレはぐっと腰を突き出して、跡部の口の中にペニスを突っ込んだ。
「……けほ!」
喉の奥を突いたらしく、跡部が咳き込んだ。
「あ、ごめんごめん」
上目遣いにオレを睨む跡部の目尻に、涙の雫が溢れてくる。
-----すっげぇ、可愛い。
跡部のこういう顔、本当にそそる。
「やってくれないと、オレの方で動かしちゃうけど?」
と言ったら、跡部が潤んだ瞳を瞬かせた。
「……ね? けぇご?」
お願いするように言うと、跡部は覚悟を決めたらしく、右手で茎の部分を掴みながら、先端のすっぽり咥えてきた。
うわっ-----!
跡部の口の中に、ペニスが入ったり出たりしている。
すっごく、やらしい。
背筋をぞくっと快感が走り抜けて、連動してペニスがびくびくと脈打つ。
一生懸命、オレのペニスを口に出し入れする跡部は、本当に可愛かった。
でも、そういう事を言うとつけあがるから、言ってやらない。
反対に、オレはこう言った。
「けぇご、へったくそ〜!」
びく、と身体を震わせて、跡部がオレを見上げてきた。
涙のいっぱい溜まった目元が赤く染まっていて、見た途端、オレは我慢できなくなった。
ドクン、と思いきり先端から精液を迸らせる。
「………!」
ちょうど跡部がオレのを咥えようと口を開けたところだったので、粘液は跡部の赤く染まった頬や鼻、唇に盛大にかかった。
唇から白い粘液を滴らせて、涙目で見上げてくる跡部に、オレは総毛だった。
すっげ---、可愛い!
オレ、イったばかりだってのに、また大きくなってきちゃったよ。
「けぇご、ちゃんと舐めてよ」
ぐいぐいとペニスを突き出して跡部の口の中に突き込むと、跡部はけほけほ咳き込みながらも、口を窄めてオレを舐め上げてきた。
「なんで、けぇごって、こういうことしてくれんの?」
やらせておいてこういう事聞くかって感じだけど、でもオレ、前から不思議だったんだよね。
跡部って、偉そうにしてるわりに、こういう事嫌がらないんだもん。
オレがねだると、必ずしてくれるんだもん。
どうしてかな?
「ねぇ、けぇご?」
「……知るか……」
跡部は頬を染めて、小さい声で言った。
-----あれ、照れてる?
さっきよりまた頬が赤くなったのを見て、オレはおかしくなった。
跡部ってさ、へんなやつ。
オレのこと、好きなんだよね?
なんで、オレの事とか好きなの?
「けぇご、かわいい……」
ついそんなことを言ったら、跡部が睨んできた。
「オレ、けぇごの事すっげえ好き……」
「バーカ……」
小さい声で言って、跡部が視線を逸らす。
オレは跡部のの頬を両手で挟んで、ちゅっとキスをした。
ちょっと……オレの精液の味がしたけど、まぁ、それも悪くないか。
だって、跡部が舐めてくれたんだもんね。
「……ジロー……」
跡部の掠れた声が、すっごい色っぽい。
やっぱり、跡部って可愛い!
引き寄せて、ぎゅっと抱き締めて、オレは跡部の唇をすっぽりと覆った。
「……またやって、けぇご?」
「……へたくそなんじゃねえのかよ?」
「へたくそなけぇごが好きなんだよね」
「へんなやつ………」
そう、オレってヘンだと思う。
だって、跡部じゃないと気持ち良くないって最近思うんだもん。
跡部だから、気持ちいいんだ。
跡部がやってくれるから。
「けぇご………」
オレの腕の中で身じろぎする跡部をしっかりと抱き締めて、オレはまたちゅっとキスをした。





















初めて書いたジロ跡。ジロの性格が結構気に入ってますv