部長、大変です!
《3》















それだけでももう体温が上昇しているというのに、更に煽るように、菊丸に自分の……今まで誰にも触らせた事のない、恥ずかしい部分を思い切り触られている。
跡部は勿論----そこを自分で慰めた事は何度もあるが、実は、派手な外見とは違って真面目で品行方正な彼は、男とも女とも-----とにかく性体験というものがなかった。
級友の話や、特に遊びの激しいらしい忍足の話などは、取りあえず聞くものの、別に羨ましいとも、自分がしてみたいとも思わない。
いちいち相手の意向を伺うのも面倒そうだし、一人でやっている方がずっといい。
そんなわけで跡部は、その手の話はいつも興味なさそうに聞いていたのだが、そんな跡部の態度がまた、いかにも遊び慣れていいて、そんな話など聞き飽きた、というように見えたらしい。
いつのまにか跡部は、経験豊富なプレイボーイ、という虚像が、氷帝学園の中でも外でも------つまりは青学でも、一人歩きしていたのだ。
当然、菊丸以下、青学の面々は、跡部が前も後ろもすっかり開通済みだと思いこんでいる。
縛られた屈辱に歪む美しい瞳や、震える身体、滑らかな白い肌……
形の良い、引き締まった尻や、桃色のペニスにすっかり目を奪われ、跡部のパニック状況までは気が回らない。
「オ、オレ、もう我慢できないにゃー!」
跡部のペニスが----憤怒で興奮したからなのだが---むくむくと勃起して、張り詰めた先端がピンク色に瑞々しく、誘うように揺れるのを見て、たまらなくなった菊丸が声を上げた。
「オレ、一番乗り、いーい?」
















「……ちょっと待ってよ、エージ…」
不二が開眼して、菊丸を睨み付けてきた。
「順番はじゃんけんッスよ、エージ先輩」
桃城もぐっと割り込んでくる。
「ちぇ……んじゃ、早いとこ、ジャンケン!」
リョーマにも詰め寄られて、菊丸はしぶしぶジャンケンに同意した。
「ジャンケン…ポーン! アイコーデショ!」
「やりぃ−! オレ一番乗り!」
他の3人がチョキのところ、一人だけグーを出して、栄えある一番乗りをゲットしたのは、越前リョーマだった。
「オチビが一番かー! ちぇっ!」
菊丸が悔しそうに舌打ちする。
「オチビなんて、できるのかよー!」
悔し紛れなのか、捨て台詞を吐く菊丸に、リョーマがニヤリと笑って言った。
「オレはアメリカ育ちッスからね…? まぁ、それなりには…。エージ先輩には負けない自身あるッスよ」
返答を聞いて、菊丸が悔しげに舌打ちする。
「んじゃぁしょうがないけどねー。次の順番も決めよう!」
気を取り直した菊丸が、再びジャンケンに挑んだが、結果は------。
「……くそ---! 桃城かよっ!」
二番目が桃城。
三番目が菊丸だった。
「まぁ、…ボクより前なんだし…いいんじゃない?」
不二が肩を竦めてくすっと笑う。
「ボクの後だと……跡部、もう気を失ってると思うからね…フフフ…」
「不、不二……怖いにゃ-----」
「……まぁね……」
















などと、青学の面々が一見和やかに談笑している横で、跡部は死にものぐるいで拘束を解こうとしていた。
先程から耳に入ってくる会話は、どれも到底信じられないような内容ばかりである。
まさか、本当に-----……嘘だろう?
と心の中で叫んではみるものの、現実は容赦ない。
「んじゃ、いただきまーす」
気のない台詞と共に、リョーマが学生服のズボンを脱ぎ始める。
「エージ先輩、めちゃめちゃ残念がっているようだから、オレの権利、少し譲りますよ」
脱いだズボンを丁寧に折り畳みながら、リョーマが言った。
「え、なに? なになに?」
「跡部サンの尻を解してあげる権利」
リョーマがにっこり笑って答えながら、菊丸に、不二から渡されたローションを手渡す。
「オレはすぐに突っ込みたいんで……エージ先輩、どうぞッス」
「わー!いいのいいの? オチビー!太っ腹!」
菊丸が嬉しげに歓声をあげながら、リョーマからローションを受け取った。
「じゃぁ、跡部が暴れないようにさ、桃、足押さえててにゃ。あ、ソファはベッドにしないとにゃ!」
「了解ッス」
ガタン、とソファの背もたれが下がって、跡部は支えを失って、そのまま仰向けに転がった。
どうやらそのソファは、ベッドにもなるらしい。
仰向けになって視界に薄汚れた天井が入ったと思う間もなく、先程と同じように両足をぐいっと掴まれ、広げたままで折り曲げられる。
「ぅ………!」
後ろ手に拘束された腕に自分の体重がかかって痛み、跡部はくぐもった呻きを漏らした。いや、痛みぐらい、どうということはない。
こんなもの………部活ではもっとハードに怪我をして痛かったこともある。
だが---------。
呻きつつ跡部は、涙を止められなかった。
こんな--------信じられない。
こんな格好をさせられて……。
しかも、これから………俺がこいつらと---------!!
背筋が凍る。
脳が沸騰し、目の前が涙で滲む。
















「さーてっと……アトベー、……可愛いー!」
菊丸がベッドに上がり、跡部の大きく広げられた太股の間に入ってきた。
右手にローションを持ち、上体を屈めて跡部の局部をしげしげと眺める。
「ほんとに可愛いにゃ−!」
菊丸の目の前では、ピンク色に濡れた跡部のペニスが、亀頭をぴくぴくと蠢かせていた。
すらりと形良く、色も薄いそれは、見ていると思わず口に含んでしゃぶりたくなるような欲望を起こさせる。
先端で可愛らしく開閉している口からは、透明な液が溢れ出している。
どんな味がするだろうか。
それを啜って、跡部に艶やかな声を上げさせたい。
白くしなやかな身体を、快感に震わせてみたい。




------そんな欲望がこみ上げてきて我慢しきれず、菊丸はぱくっと跡部のペニスを口に咥えた。





















延々と青学×跡部なんですよねー…