部長、大変です!《5》
(--------------ッッッ!)
瞬時、跡部は全身が硬直した。
指などとは比べ物にならない体積の、堅い異物が、容赦なくめり込んでくる。
痛い。--------痛い、痛いッ!
跡部は背中を反り返らせ、絶叫を上げた-------つもりだったが、喉まで布を押し込められているせいで、声は出せなかった。
ただただ、目を張り裂けんばかりに見開いて、押さえつけられた身体を、魚のように跳ねさせるばかりである。
「すっげぇ、締め付け…」
自分のペニスを根元まで深々と突き刺して、一旦動きを止めたリョーマが、満足げに息を吐いた。
「凄いッスよ。跡部さんの中……最高ッス!」
「くっそーー、オチビっ! ほら、早く終わるにゃ!」
リョーマの嬉しげな声を聞いて、菊丸が忌々しげに舌打ちする。
「オレが終わっても、次は桃先輩ッスからねー。エージ先輩まで回るのは、まだまだッスね?」
「ムーっ!いちいち頭に来るな!ちぇッッ!」
「エッヘッヘ。そう急かさないでくださいッス」
くすくすリョーマが笑い、跡部の震える尻肉をがっちりと掴んだ。
「じゃー、イかせてもらうッス、跡部さん」
そう言うなりリョーマは、跡部の身体を激しく揺さぶりつつ、抽送を開始した。
ローションと菊丸の指による愛撫で、アナルが柔らかくなっているのをいいことに、相手に対する気遣いもなく、上品なその入り口に、自分の欲望を容赦なく出し入れする。
身体が一回り小さい相手でも、使用する部分が小さいとは限らない。
リョーマのペニスは年齢不相応に成熟していたので、その分跡部の受ける衝撃は大きかった。
部室に湿った淫靡な水音と、はぁはぁという息づかい、それからソファのぎしぎしと軋む音が反響する。
跡部はリョーマに揺さぶられるまま、呆然として自分の秘部に他の男のものが抜き差しされるのを感じていた。
--------------信じられない。
だが、-------------ぼんやりと目線を向けると、視界を遮るようにしてリョーマが自分に覆い被さり、身体を動かしている。
痺れて感覚の無くなってきた両脚は、自分の胸につくぐらいに折り曲げられ、その足を桃城が押さえつけている。
顔を反らせると、少々薄汚れた天井が目に入ると共に、自分を興味深そうに見つめてくる不二の目と、それからギラギラした視線を落としてくる菊丸の目にぶつかった。
「可愛いにゃ、アトベー…」
菊丸が興奮を抑えきれない、と言った調子で言う。
「すっげーそそられるにゃ!早く犯してえ!」
「次は俺ッスからね、エージ先輩」
桃城がフン、と言った調子で得意げに言う。
「ちぇ、分かってるってば。おい、オチビー、早く終わりにしろよ!」
忌々しげに舌打ちした菊丸が、報復とばかりにリョーマをどついた。
「もうちょいッス!」
リョーマが切羽詰まった声を上げ、そのまま腰をぶつけるように強く突きだして、しばしそこで硬直したように動かなくなった。
息を止め、眉を顰め目を閉じ-----------数秒後、はぁーっ、と大きく息を吐いて、びくびくと身体を震わせる。
「あー、良かったッスよー」
陶酔したような声で満足そうにそう言い、リョーマはずるり、と跡部の体内から自分を抜いた。
周りの先輩の面々を見回して、勝ち誇ったようにフフン、と鼻を鳴らす。
「オレが跡部サンのバージン、いただいたッス」
「くっそー!」
「まぁまぁ、そう怒らなくても……僕たちは先輩なんだから、ここは後輩に譲ってあげないとね?」
悪態を吐く菊丸に、不二が苦笑しながら声を掛ける。
「そりゃそうだけどねー…でもやっぱ最初って特別だしさ…」
「まぁまぁ……残り物には福がある、とも言うしね…。もしかしたら、跡部が解れてきた方が、ずっと具合が良いかもしれないよ?」
「んー…ま、しゃーないけどさ…っ。とにかく、……桃っ!」
菊丸が、まだ跡部の身体を押さえつけたままの桃城をびしっと指さした。
「次は桃だから、早く終わらすよーに!」
「……へぃへぃ。分かりましたよ…」
菊丸の剣幕に押され、口ごもりつつ桃城が跡部から身体を離す。
「んじゃー、代わりに跡部さんのこと、押さえていてくださいッス」
「了解了解!」
菊丸と位置を代わって桃城は、腕を大きく回しながら伸びをした。
「さぁて、俺の出番ッスね…」
にやにやしながら、跡部を見下ろす。
先ほどから呆然として一部始終を眺めていた跡部だったが、にやにや笑いながら自分を見下ろしてくる桃城と視線が合って、はっと我に返った。
---------------くそッ!
桃城の視線を睨み返して、もがき始める。
「おーっと、アトベー、暴れちゃ駄目だにゃ!」
しかしそこを菊丸にすかさず押さえられた。
「エージ先輩、俺バックしたいんで。跡部さんを四つん這いにさせてくれますか?」
「OKOK! オチビも手伝うにゃ!」
「……ハイハイ。分かったッス」
跡部を犯し終わって、もうしばらくその余韻に浸っていたかったリョーマだが、先輩方を差し置いて自分が一番に跡部を抱いただけに、ここは少々譲らないと、という気持ちもある。
菊丸とリョーマは二人がかりで暴れる跡部を押さえつけると、
「そーら!」
との菊丸のかけ声で、二人は跡部の身体をソファの上で俯せにひっくり返した。
「………ぅッッ!」
途端に、ズキン、と脳天まで激痛が走り抜けて、跡部はくぐもった呻きを漏らした。
全身が震える。
後ろ手に両手を拘束されているので、ソファに上体を倒すような形で、顔がソファに押しつけられる。
「うわーっ、可愛いお尻ー!」
「色白くて、ほんと、綺麗ッスよね、跡部さんは」
「…ちょっと腫れてるかな? 越前が入ってたとこ」
「大丈夫っしょ。よく解したし……結構、跡部さん、感じてたっぽいしー」
自分の尻あたりで、--------勿論、どこからどこまで全て見られているのだろう---------てんでに好き勝手な事を言っている4人の言葉を聞いていると、どうしても堪えきれず、跡部はまた涙が溢れてきた。
後ろ手に縛られているから、涙を拭うこともできない。
下半身は鈍く痺れ、ジンジンと鼓動に合わせて痺れが身体を駆けめぐる。
その痺れに合わせて涙も溢れ、ソファに滴ってゆく。
猿轡を噛まされた顎も痺れ、はぁはぁとただ息を吸い込むばかりである。
「…ぅ……うゥ………ッ」
くぐもった呻きを漏らしつつ、跡部は俯いて、灰青色の美しい瞳を赤く腫らして涙を流した。
一人目終了なり。