お気に召すまま 
《16》









忍足を軽々と抱き上げて、真田がソファから、部屋の反対側の壁に沿って置かれている大きなダブルベッドへ移動する。
壊れ物でも扱うかのようにそっとベッドに寝かされて、スプリングの効いたベッドに沈み込むと、上から真田がじっと忍足を見つめてきた。
深い黒い瞳の奧に、欲情を湛えた鋭い視線。
ぞくぞくと背筋を甘やかな戦慄が駆け抜け、下腹部が疼いて更にとろりと溶けてくる。
「あ、……俺の服も、脱がせてや……」
興奮しきって声が掠れた。
真田が太い眉を寄せ、頷く。
真田の筋肉のついた太く固い腕が自分の背中に回り、プチ、とブラジャーのホックを外してきた。
(…け、結構慣れてるんやないか……)
童貞少年だからもっと狼狽えるかと思ったのに、いざ本番となると覚悟を決めたのか堂々とした様子なのに、忍足は少々悔しくなった。
もっと恥ずかしがって慌てる真田が見てみたい。
ホックの外れたブラジャーを自分で床に放り投げて、忍足はたわわな乳房を真田の厚い胸板に直接押しつけた。
押しつけながら、大きめのくりっとした乳首を、真田の堅く小さな乳首に擦り合わせてみる。
さすがにびく、と真田が身体を強張らせたのが分かって、些か溜飲が下がる。
「下も……なァ?」
「あ、あぁ……」
上擦った声で口籠もりながら言う様子に、忍足はちょっと満足した。
(もっと、慌てんかな……)
ショーツに手をかけて少しずつ引き下ろそうとしている真田の、さらりとした黒い髪に手を入れ、耳を擽ってみる。
「…………」
真田がびく、と身体を震わせ、強張らせたまま、ショーツをゆっくりと引き下ろした。
片足だけ引っかかったそれを、忍足はブラジャーと同様床に放り投げた。
「…散らかったぞ……?」
絨毯の上に放り投げられたそれらが気になるのか、真田が眉を顰めるのも構わず、真田の髪に手を入れて引っ張り上げるようにして自分の盛り上がった大きな乳房に真田の顔をぎゅうっと押しつける。
「む………」
乳房の谷間に顔を押しつけられ、両方から柔らかな肉に挟まれて真田がくぐもった声を漏らした。
「…ここ、女になったらこんなに大きくなってしもたんやけど……真田は、大きいのは嫌いか……?」
「……べ、別にそんな事はないが……」
「嫌いやなかったら……なぁ、……好きなことしてええよ?」
真田がどういう事をしてくるか興味があったので、忍足はそう言ってみた。
その間にも、忍足の柔らかい下腹、ちょうど臍の下のふっくらと盛り上がったあたりに、真田の火傷しそうなほど熱く張り詰めた堅い肉棒がぴたぴた当たってきて、先走りがねっとりと腹に滴るのが分かる。
その濡れた感触に、ぞくっと背筋に甘い戦慄が走る。
思わず真田の怒張に自分の下腹の陰毛を擦りつけるよう、もぞもぞと無意識に下腹を動かす。
自分も、限界のような気がした。
下半身が熱くて、とろけきって、どうしようもない。
疼く体内に、早くコレを……下腹に当たる鋼のような灼熱の肉塊を、突き入れて欲しかった。
思いきり、深く貫いて欲しい。
とろとろに溶けた所に突き立てられ、深く挿入されて、疼いてどうしようもない所を掻き回されたい。
そうすれば、どんなに気持ちがいいだろうか。
いや、跡部の時でさえあんなに痛かったんだから、真田のこの大きさでは、ただただ痛いだけかも知れない。
……が、痛くてもなんでも良い気がした。
この太いモノで、思いきり突かれてみたい。
(って、なんや俺、変態か……?)
と、頭の片隅で思ったりもしたのだが、圧倒的な快感の前にはそんな考えは木っ端微塵に吹っ飛ぶ。
その時、真田が忍足の乳房を大きな骨太の指で掴んできた。
鷲掴むように乳房を握りしめると、その先端の熟れた果実のような乳首に、厚い唇を押しつける。
舌先で乳首をつつき、ざらり、と舐め上げたかと思うと、並びの良い歯列でかり、と咥えてきたので、
「……んぁッ!」
忍足はたまらず声を上げた。
噛まれた乳首から、全身を震わせるような戦慄が、脳髄まで瞬時に駆け上る。
真田の大きな些かかさついた指が最初は柔らかく、それから強弱を付けて絶妙に乳房を揉んでくる。
咥えられた乳首をくりくりと口腔内で転がされ、熱く濡れた粘膜の感触と、時折立てられる真田の硬質な歯の感触に、忍足はもうどうにもならなくなった。
「あ、…さ、なだ……んッ……い、…な、んかっ、……や……って…ッ」
切れ切れに呻きながら、腰を浮かせて、真田の太く堅い肉棒に、ふっくらとした下半身の柔らかな茂みを擦りつける。
更に、無我夢中で太股を大きく開いて真田の腰にしなやかな脚を絡め、局部の濡れそぼった柔らかな花弁の間に真田のペニスを迎え入れようとした。
ぐちゅ、と濡れた淫猥な音がして、広げた脚の間に真田のがっしりとした腰が入り、固くて熱い肉塊が、花弁の濡れた粘膜に擦り合わされる。
「あ、あ……さなだ……って、も、もう、なんや……俺ッッ」
「忍足ッ…ちょっと待て」
真田が苦しげな声を出した。
「待てんわっ……な、なぁ、入れてや………ッッ!」
「……まだ、…だ……お前のほうも……準備をせねば…」
ベッドの上で身体をくねらせる忍足の柔らかく白い身体をきつく抱き締めて、首筋に何度も口付けをすると、真田は身体を起こし、忍足をじっと見た。
「…痛くないようにしたいからな…ちょっと待ってくれ…」
「………」
優しい瞳で見つめられて、忍足は頬を真っ赤にした。
(な、なんやはずかし……)
「ん……」
忍足が俯いて小さく頷くと、真田が微笑した。
「俺に見せてくれ。…どこに入れるのか、よく分からんのだ…」
そう言って身体を動かして、忍足の脚の間に筋骨逞しい上体を持ってくると、両足首をがしっと掴んで思いきり左右に広げてきた。
「うわッ!」
と忍足が声を上げると同時に、真田が太い眉を寄せ、目を見開いた。
「…こんな風になっているのか……」
真田の上擦った掠れ声が羞恥を誘って、忍足は恥ずかしさのあまり両手で顔を覆った。
「自分で見てへんから知らんわ…」
「……なんというか……うまく言えんが…」
「な、なんや?……なぁ、……変か?」
「いや、変なのかどうかも分からんが……だが、俺は、美しいと思う…」
「う、美しいて……」
何やらすごい単語を持ち出してきたので、忍足はぱっと赤面した。
「本当だ。とても、綺麗だ。……初めて見るが、どの女性も、こんなに美しいものなのだろうか…」
「……そ、そんなん知らんわ…」
「いや、……忍足、お前だからだろうな……そんな気がする……」
「さ、真田……」
(なんや、すごい殺し文句やないか……)
忍足は驚愕した。
「……どうした?」
忍足の驚いた表情を見て、真田が形の良い眉を僅かに寄せて不思議そうに瞳を眇める。
「い、いや、その……」
(跡部、見とるんやろか。…真田の言葉聞いてどう思ったかな……)
跡部の場合は意図的に殺し文句を吐くが、真田はどうも天然だ。
(真田の方が凄いわ…)
きっと画面の向こうで悔しがっているに違いない。
などと考えて忍足は内心可笑しくなった。
「……あッ!」
その時、下半身にくちゅ、と何かが触れて、忍足は思わず背筋を反らせた。
顔を上げて下腹部を見ると、真田が太い眉を寄せ、真剣な表情をして忍足の局部を凝視していた。
黒々とした陰毛に、真田の血管の浮き出た大きな手が差し入れられ、どうやら花弁を押し広げて指で濡れた部分に触れてきたらしい。
「な、なんや、そんなん、見んでも…」
「不思議だ。……どういう構造になっているのだろうか……」
真田の上擦った掠れ声に、思わずかっと赤面する。
「こんなに濡れている。…どこからこんなに出るのだ……」
(こんなにって……)
結構恥ずかしいことを平気で言う。
淫乱、と言われたような気がして、忍足は視線を逸らして俯いた。
が、真田は忍足の恥じらいに頓着せず、今度は間接の骨張った指を、ぐちゅ、と花弁の中に埋め込んできた。
「…あッッ!」
「凄いな……熱くて、濡れそぼっていて、…柔らかい…」
親指と人差し指で花弁を左右に広げ、内部のピンク色の粘膜を眺めて、真田が息を飲む。
「美しい色だ。……それに……」
くちゅくちゅ、と音を立てて指が花弁の内側を擦る。
「は、んん……あ、さな、だ……駄目やッ…そこ、気持ち、ええってば……あ、あん…ッッ!」
「……気持ちいいのか?」
「あ、あ、あ……んッ、なぁ、も、もちょっと上ッ、してくれへん……ッ?」
指が微妙に粘膜を擦り上げてくるのがもどかしくて、忍足は腰を振って悶えた。
そこも気持ち良くてどうにかなりそうだが、もっと上の……跡部が、ここがいいところだ、と言っていた場所に触れて欲しい。
「上、か…?」
真田の骨太の指が粘膜をぐちゅ、と擦りながら移動し、花弁の先端の小さな真珠にたどりついた。
「…んあッ!」
触れられた途端、びくん、と脳天まで衝撃が駆け抜けて、忍足は背中を反り返らせた。
「おしたり…」
忍足の反応に、真田も驚いて顔を上げる。
「んんッ、そこ、そこッ、もっと…ッッ!」
「あ、あぁ…」
真田の太い指がゆっくりと濡れた真珠に触れると、繊細な動きでそこをつついてきた。
「あッ……あ、あ…はッ……んんッッ…!」
どうしたらいいのか分からないほどの快感が、そこから津波のように押し寄せてきて、忍足はベッドをぎしぎしと軋ませて悶えた。
「…凄いな…」
「はッ、ん……あ、下も……な、入れてみて…ッ!」
「……下?」
「ん、んッ……指、もっと下や……」
真田が空いていた左手指を、忍足の花弁の下の方に埋め込んできた。
「……ここ、か?」
ぐちゅぐちゅと粘膜を擦りながらまさぐっていると、下の方に蜜の溢れる入り口があった。
指がくにゅ、と吸い込まれるように入っていく。
「…ああッッ!」
「……痛く、ないのか?」
「あ、ん、痛くは、ないて……てか、気持ちええって。……な、なぁ、そこ、そこに、真田のっ……欲しい…」
「…ここに入れるのか…」
真田の声もすっかり掠れていた。
媚薬を飲まされているのに、今まで我慢してきたのだ。
我慢も超人的である。
「…いいか?」
「ええってっ…はよ、来て」
忍足が髪を振り乱して喘ぐと、真田が突如行動を起こした。
身体を起こし、忍足の脚を抱えて広げさせ、濡れそぼった花弁にペニスを押し当ててくる。
熱く脈動し、はちきれんばかりに漲っているその肉塊の感触を直に粘膜で感じて、忍足は頭が霞んだ。
早く、挿れて欲しい。
「さなだッ…!」
忍足の切羽詰まった声に頷いて、真田は太い眉をぐっと顰めて唇を引き結んだ。
ペニスを右手で持ち、蜜壺に大きな亀頭をぐぐっと押しつける。
「………あッッッ……うッッ!!」
次の瞬間、全身がかっと熱くなり、瞬時にさっと冷えて、忍足は目を剥いて悲鳴を上げた。















忍足が淫乱…