お気に召すまま 
《21》









真田の反応が初々しい。
ズキン、と股間に痛みが走るのを、ぐ、と下腹に力を込めて奔流をやり過ごす。
「痛かったら、なんでも言ってくれよ?」
あくまで優しい男を演じつつ、跡部は真田の形の良い耳を軽く噛んでみた。
「……うっ」
びく、と真田が身動ぐのを押さえたまま、耳下に舌を這わせ、首筋を舐めながら、身体をずり下げていく。
真田の首は、女になってもやはり張りがあり、喉仏がなくなった分しなやかで、唇を宛てると皮膚の下の筋や筋肉が心地よかった。
舌でざらり、と舐めながら、ゆっくりと耳の下から顎の下、首の窪みから鎖骨にかけて舌で皮膚を軽く擦るようにしながら舐めていく。
「…………」
くすぐったいのだろうか、真田がもぞもぞと跡部の身体の下で身動ぎする。
その度に、たわわな二つの乳房がゆさゆさと揺れて、跡部の胸を押し上げてくる。
鎖骨の下からはもう、こんもりと盛り上がった二つの山が、跡部の舌を待っていた。
ちゅ、と軽く口付けながら、その一つの山に舌を登らせていく。
舌で押すとその分だけ弾力を持って舌を押し戻してくる肉と、滑らかな肌に、血流が下半身に流れ込んでいく。
舌で円を描くように舐め回しながら山を登っていき、頂きに辿りつくと、跡部はその頂点の大きな乳首をくり、と口に咥えた。
「う……」
真田の身体が微かに震える。
乳首は、飴玉のようにちょうど咥内に治まり、跡部はそれを飴をねぶるように捏ね回した。
と同時に、右手で空いている真田の左の乳房を持ち上げるようにして掴んでいく。
掴んで、指に強弱を付けてゆっくりと揉み、親指でそっちの乳首もくりくりと捏ね回してやる。
「あ、とべ……ッ…」
感じるのだろうか。
真田が些か苦しげな声を出し、顔を力無く左右に振った。
「どうだよ…?」
「………」
「…痛いか?」
「い、いや……へんな感じだ…」
「変かよ……」
真田の返答にくす、と笑いながら更に乳首を吸いあげ、軽く歯を立てたり、先端の乳頭部分を舌先を尖らせてつついてみる。
「も、……その、…い、いいから…」
「いいってのは……気持ちいいって事か?」
顔を上げて笑いながら問いかけると、真田が薄目を開けて跡部を見下ろして、眉を顰めた。
その、いやそうな表情がまたそそられる。
(いやなのかどうか、ちょっと調べてみるか……)
ふっと笑うと、跡部は乳房を揉んでいた右手を、肌をまさぐりながら下ろしていった。
巨大な山を下り、滑らかな、それでいて筋肉の程良くついている腹を撫でさすり、臍を指で愛撫しながら、慎重に手を下ろしていく。
ふさふさとした茂みに辿り着くと、さすがに真田が身体を硬くした。
「力、抜けよ…」
掠れた声で囁きながら、茂みに指を入れて、梳くように陰毛を掻き分けていく。
中指をすうっと下におろし、茂みの中に埋めていくと、やがて、熱く濡れそぼった柔らかな花弁の感触が指に伝わってきた。
指が蕩けそうにぬめって、見なくてもそこがとろとろに濡れ、愛液で溢れているのが分かる。
そこに触れた途端、真田がびくっと身体を震わせ、跡部の肩を掴んだ手にぐっと力を込めてきた。
「すげぇ……もう、濡れ濡れだぜ。…感じてるじゃねえか、真田…」
指にまとわりつくぬるぬるした感触に思わず頬が緩む。
真田が、すっきりとした眉を寄せて眉間に皺を寄せ、顔を背けた。
「なぁ、どうだよ。……ちゃんと口で言ってみろよ。…気持ち、いいだろ?」
先端の膨らんだ部分をつんつんと中指でつつきながら、一気に花弁を開いて割れ目に指を滑らせる。
「………ッッ!」
真田が息を飲んで目を開いた。
「真田……気持ち、いいか?」
「……ど、どうなんだか、よく分からん…」
「分からねえって事はねえだろ」
「女だと、……こういう感じなのか………?」
ぬめった柔らかな肉の壁の間に指を滑らせ、ぬるぬると前後に出し入れしてみると、真田の引き締まった太腿がきゅっと跡部の指を挟み付けてきた。
「脚、開けよ……そう、力入れて挟むなって……」
くすくす笑いながら囁くと、真田が視線を逸らして、唇を噛んだ。
「女だと、…なぁ、どうだ?どんな感じだ……?」
「だから、……うまく言えん…」
「…いやか?」
「…………」
「なぁ、どうだよ?」
「いやでは……ない、と思う……」
真田が聞こえるか聞こえないかぐらいの声で返答した。
「こことか、どうだよ……?」
跡部は指を増やして、人差し指で花芽を軽くつついてみた。
膨らんだ大きめのそこを、愛液のぬめりを借りて何度も擦ってみる。
「う……あ、……あ、とべ……ちょ、っと、まて……ッッ」
真田が余裕のない声を出した。
花弁に埋めた中指に、熱い粘液がとろとろと湧きだしてくるのが感じ取れる。
(すげぇ感度いいんじゃねえか……)
跡部は内心、驚いていた。
中指の先を、花弁の内部に深く埋め込み、蜜壺の辺りをまさぐるようにすると、その中指を吸い込むように蜜壺が蠢いてくる。
く、と指を入れてみると、真田が軽く呻いて、跡部の肩をぎゅっと掴んできた。
「痛くねえよな……」
「…痛くはない、が……あ、……ん……くッッ…」
きゅっと眉を寄せ、瞳を固く閉じ首を左右に振って快感に耐えている様子がたまらない。
下半身が痛いほど張り詰めて、先走りがねっとりと溢れてくるのをひたすら堪えて、跡部はゆっくりと身体を起こした。
「お前のここ……見せてくれよ……」
「……あとべッ!」
跡部が真田の膝を掴んで左右に広げさせようとしたからか、真田が狼狽した声を出した。
「よ、よせっ!」
「なんだ、恥ずかしいのか……?」
「跡部っ!」
膝頭を掴んでご開帳、とばかりに左右に広げて脚の間に身体を割り込ませる。
「へぇ……すげえな…」
身体を屈めて、真田の局部に顔を近づけてそこを凝視すると、真田が息を飲んで顔を背けた。
ゆさっと巨大な乳房が揺れて、濃い桃色の乳首がふるふると震えるのも可愛いが、今は下半身が優先だ。
真田のそこは、ぬめぬめと濡れ光り、真珠のような花芽がぷっくりと勃ち上がっていた。
(でかいな…)
元々ペニス自体が大きかったから、変化しても大きいのかも知れない。
脚を広げたせいで、花弁が綺麗に花開き、内部の薄桃色の粘膜が、愛液を溢れさせながら、香しい薫りを上げている。
忍足のそれよりもダイナミックな造型だ。
ごくり、と唾を飲み込んで、跡部は下半身の激情をなんとかやり過ごすと、深呼吸を何度も繰り返した。
まだ、挿入はできない。
もっとじっくり、真田が自分から求めてくるようになるまで、興奮させないと……。
跡部は、真田の引き締まった太股に顔を近づけた。
膝の上辺りから唇を押し当て、舌を伸ばして艶やかな肌をざらりと内股方向へ舐め上げていく。
「む……」
真田がくぐもった呻きを漏らした。
まだ戸惑っているような所が感じられる。
もっと、いやらしい声をあげさせたい。
自分を求めて、彼の方から腰を振ってねだるぐらいにさせたい。
内股を、触れるか触れないかぐらいに舌先で擽りながら、すうっと陰毛の生えそろった部分まで舌で舐め上げてはすっと膝頭辺りまで舌を下ろし、また舐め上げていく。
「あ、とべ……っ」
膝頭が細かく震え、押さえている腰が蠢く。
花弁が充血してひくひくと動き、とろり、と蜜壺から愛液が溢れだしてくる。
(いい感じだぜ……)
跡部は心の中でほくそ笑んだ。
感度がいい。
寝ているだけだ、などと言っているわりには、十分すぎるほど感じているのが分かる。
跡部はそろそろと舌を移動させた。
内股から、花弁を避けるように顔を動かし、先端へ舌先を持っていく。
ふっくらと膨れた真珠の先を、舌で軽くつついてみると、
「うぁっっ!」
真田が息を飲み、びくっと大きく身体を震わせた。
「よ、せっっ!」
腰が跳ね、逃れようとするのをがっちりと両手で腰を掴んで固定させ、至近で花芽を眺める。
濡れ光るそこに、舌先を尖らせて触れ、振動を与えながらちゅ、と吸い上げてみる。
「うっ……あ、…だ、めだっ…」
上擦ったような、今まで聞いたことの無いような狼狽した声音に、跡部はぞくぞくとする興奮を感じた。
こういう声が聞きたかった。
真田がこんな声を出すとは……。
声に応じて、蜜壺からとろとろと愛液が更に溢れ出してくる。
尻を伝い、ベッドに大きな染みを作っていく。
(シーツ、また洗わねえと駄目だな…)
などと思いながら、更に跡部は花芽を舌で愛撫していった。
「はっ、は……あ、っっ……」
真田が激しく息を吸っては吐き、そのたびに巨大な乳房がゆさゆさと揺れる。
(すげえな…)
もっと真田を乱れさせたくて、跡部は真田の反応を注意深く観察しながら、人差し指を、蜜壺にすっと挿入してみた。
真田の大きな手が、跡部の頭を鷲掴んでくる。
髪を掻き回し、息を大きく吸っては吐き、喉を仰け反らせる。
熱くて火傷しそうな蜜壺は、跡部の指を難なく受け入れた。
ぬるぬるとまとわりついてくる内壁を掻き分けて指を進め、壁を指の腹で擦ってみる。
びくっと真田が身体を震わせ、息を吐いた。
「…痛くねえだろ?」
「…痛み…は、ない。……へんな、感じだ…」
「さっきから変ばっか言ってるが、気持ちいいとか言えよ」
少々しゃくに障って花芽を舌でざらりと擦ってやる。
真田がう、と呻いて跡部の髪を強く引っ張ってきた。
「気持ちいいだろ、真田…?」
「あ、あぁ……わからん…」
「おい…」
「うまく、言えん……ッくッッ!」
















真田編その4