お気に召すまま 
《22》









膣内を擦っていた指をくい、と折り曲げてやると、真田が息を飲んでびくん、と身体を蠢かした。
「今、お前の中に指入れてんだぜ?」
「……指、を?」
「ほら、分かるだろ……?」
中指をずっと差し入れ、指を二本にしてくいくいと折り曲げて熱い肉壁を抉るようにする。
「…うッッ!」
いい部分にちょうど当たったのだろうか。
真田が息を詰めた。
蜜壺がきゅっと締まり、跡部の指を千切らんばかりに締め付けてくる。
「締まり、いいぜ……さすが処女ってか…」
花芽をちゅっと吸い上げて舌で擽りながら囁くと、真田が苦しげに息を吐き、顔を振った。
「あとべっ、な、んだかもう…」
「…イきそうか?」
「……分からんッッ…く、あ、あ…ッッ!」
焦れったそうに腰が揺れ、自分では自覚していないだろうが、跡部の指を欲して蜜壺が蠕動し、跡部の舌に花芽を押しつけてくるような動作をする。
(いい女だぜ……)
さすが、真田だ。
皇帝だけはある。
……などと関係のないことを考えて肩を竦めると、跡部は指を蜜壺内で前後に動かしながら内壁を抉るように指を折り曲げ、同時に花芽をつつく舌の動きを速めた。
「うッッ……はっ……あ、あ、あああッッッ!」
真田が跡部の髪を抜けるほど引っ張ってきて、一瞬身体が硬直する。
のたうつ身体をがっちりと押さえて、とどめとばかりに花芽を吸ってやると、真田の背中が反り返り、太股が跡部の身体をぎゅっと締め付けてきた。
巨大な乳房に遮られて残念ながら真田の表情は見えなかったが、一瞬の硬直の後に、ぐったりと身体の力が抜け、それとともに指を入れた蜜壺からどっと愛液が溢れてくるのを感じ取って、跡部は思わず笑みを零した。
ひくひくと蠢く蜜壺から指をゆっくりと抜き取ると、手首の辺りまで愛液で濡れそぼっている。
その掌を眺め、舌でぺろり、と愛液を舐め取ってみると、
「…おい、……よせ……」
と、嫌がっている声がした。
顔を上げてみると、はぁはぁと忙しなく息をし、目許をほんのりと上気させた切れ長の黒い瞳が、困惑したように跡部を見つめてきた。
「いいじゃねえか……甘くて、美味いぜ、真田…」
殊更見せつけるように、舌を出して舐めてみせる。
眉を顰めてそっぽを向く様子がおかしくて、跡部はくすっと笑った。
イった事で少々羞恥心が薄まったのか、嫌そうな顔はしても、最初よりはずっと素直になってきている。
仰向けにベッドに沈み込んで足を開いたまま、巨大な乳房を上下させて息をしている真田を見ていると、跡部は己の股間がずきん、と痛んだ。
一度、抜いておいた方がいいかもしれない
このままだと、挿入してすぐにイってしまいそうだ。
しかも中で乱暴に動いて、真田の盛り上がった気持ちを萎えさせてしまうかもしれない。
(忍足もあんなに痛がったしな……)
そう思って、跡部は真田の腰を跨いで膝立ちになると、身体をずり上げた。
手を伸ばして、左右にゆさっと揺れる乳房を両手で中心に寄せるように掴んでみる。
忽ち胸の真ん中に、深くむちむちとした谷間ができた。
大きな乳首をくりくりと転がすと、真田が弛緩したままで首を振る。
「よせ……」
とは本心から言っているのではないらしく、言いながらも、拒絶しようとはしない。
跡部はびくびくと脈打って先走りの滲んだペニスを、むっちりとした谷間に押し当てた。、
「………ッ!」
真田がはっと目を見開き、自分の胸を見押して盛大に眉を顰める。
「なにを……」
「こういうの、夢だったんだよな…」
亀頭を乳房の狭間に押し込んで、ゆっくりと腰を前後に動かす。
自分の目の前に、赤黒く剥けた性器が飛び出てきて驚いたのか、真田が息を飲んだ。
「…おまえ…っ……」
真田が呆れたような声を出す。
「いいじゃねえか……男のロマンだぜ?」
左右から柔らかく弾力のある乳房を両手で寄せ、挟んだペニスを動かすと、両脇からペニスを圧してくる熱くむちっとした感触がたまらない。
「いい感じだぜ、真田……ッ」
元々限界に近いまで興奮しきっていた跡部だ。
あっという間にそこは限界を突破し、数回ペニスを前後に動かしただけで、一気に精液が迸り出た。
「うッッッ!」
まずいことに、ペニスがびくん、と脈打った瞬間、真田が顔を上げて眉を顰めながらそれを見てきたので、ペニスの先端から迸り出た白濁が、真田の顔一面にかかってしまった。
「………あとべ……」
とろり、と白く濁った液体を、形の良い眉や鼻から垂らしながら、真田が唸る。
「す、すまねえなっ、真田…ッ」
跡部もさすがに狼狽して、慌ててティッシュを取って真田の顔を拭いた。
「口の中にも入った……」
憮然とした表情でぼそぼそと呟く様子がおかしくて、跡部は思わず相好を崩して上体を屈め、真田のふっくらとした唇に自分のそれを押し当てた。
舌を差し入れて口腔内を探ると、青臭く生臭い味がした。
自分のだと思うとぞっとしないが、真田の口の中に自分のが入ったというのは悪くない。
真田の熱くぬめった舌を探り当て、根元から巻き付けるようにして絡ませ、軟体動物のようにその舌を動かして吸い上げる。
「う………」
真田がくぐもった呻きを漏らした。
唾液を送り込んで角度を変えながら深く、喉の奥まで舌先を伸ばして口腔内をまさぐる。
真田も積極的、というほどではないが、いやがらずに応えて舌を絡ませてきた。
(いい感じになってきたぜ…)
やはり、自分の愛撫に応えてくれると嬉しいものだ。
マグロでも勿論不満はないが、こうして感じてくれる所を見た方が自分もずっと興奮する。
そのせいだろうか。
射精したばかりのペニスがすぐに堅く回復してきた。
一度抜いたから、余裕もできた。
真田の厚い唇を、舌で輪郭をなぞるようにそっと舐めて唇を離し、跡部は微笑した。
「そろそろ、いくぜ…?」
その言葉を聞いて、長い睫を伏せて瞑っていた瞳を開けて、真田が跡部を見上げてきた。
相変わらず鋭い視線だが、幾分潤んで虹彩が濡れている。
ぞく、と快感が脊髄を走り抜けた。
なんとも言えない色気だ。
本人は意識していないのだろうが、視線一つを取っても、たまらなくそそられる。
跡部はごくり、と唾を飲み込んで、そろそろと次の行動を開始した。
ゆっくりと身体を起こし、真田の膝を掴んで左右に広げていく。
真田が形の良い眉を寄せ、跡部の動作を見つめてくる。
その目に、自分の再度勃起してすっかり天を向いてそそりたったペニスを見せつけるようにすると、真田が息を飲んだ。
「…………」
「これを、お前の中に入れさせてもらうぜ…」
掠れた声で囁き、愛液が溢れてシーツにまで染み通っている陰部に、ペニスの先端をそっと押し当てる。
ここで急いではいけない。
跡部はぐっと下腹に力を込めて、逸る心を抑えた。
亀頭で円を描くように、真田の花弁の内部を擦っていく。
ぬるぬると熱くとろけた粘膜同士を擦り合わせ、先端の大きめの花芽を執拗に亀頭で弄る。
「………」
真田がもぞもぞと腰を動かした。
「跡部…」
困惑したような声を出す。
「……なんだよ?」
真田が焦れったそうにしているのを見て、内心にやにやしながらも、表向きは余裕を持って答える。
「い、いや……」
真田が言いにくそうに言葉を濁した。
跡部は更に、亀頭をぐい、と蜜壺の入り口に押し当てて、そこで腰を小刻みに揺り動かしてみた。
ぐちゅぐちゅ、と湿った淫靡な水音が響き、真田の大きく開いた内股が震える。
シーツを握った手に力が入り、シーツに皺を寄せている。
「なぁ、真田……」
跡部は右手を伸ばして、真田の花芽を親指で擦った。
「…ッッ!」
真田がびくん、と身体を反り返らせる。
それを見ながら繊細なタッチで花芽を弄りつつ、左手をペニスに沿え、亀頭で花弁の内壁を、腰を細かく動かしてこちらも擦っていく。
真田が苦しげに息を吐き、髪をぱさぱさとシーツに乱した。
「…なあ、どうしてほしい?」
「…………」
「言えよ、真田…」
真田が眉を顰めて、跡部を睨んできた。
「お前の、好きにっ、しろ…ッッ」
ガンコな真田に思わず苦笑が漏れる。
跡部は花芽を擦る指の動きを更に速くし、同時に、蜜壺に亀頭をぐい、と押し込んでみた。
「…………!」
真田が身体を強張らせる。
だが、跡部は、ほんの少し先端を押し込んだだけでさっと腰を引いた。
「……………」
真田が物足りなさそうに眉を寄せて、跡部を見上げてくる。
跡部は灰青色の瞳を細め、花芽の刺激を続けつつ、亀頭を再度ぐい、と押し込んだ。
押し込んだかと思うとすぐに腰を引き、けっして入り口付近より中には入れようとしない。
真田が身体をわなわなと震わせ、苦しげに首を振った。
「跡部っ!」
「……なんだよ?」
「…………」
真田が言おうとしないので、跡部も射精感を堪えて、先端をほんの少し入れてはさっと腰を引く動作を繰り返す。
その間も花芽は擦り続けている。
真田がとうとう黒い潤んだ目を開き、眉をくっと顰めて、苦しげに跡部を睨んできた。
「…跡部……」
「……なんだ?」
「………入れろ…」
「……なにを?」
しらを切っていると、真田がキレた。
「何をではないだろうが! お前が俺に押しつけているそれを、入れろと言っているんだッ。いい加減焦らすなッ!」
大声で言って、跡部に自分から腰を押しつけてくる。
ゆさっと巨大な乳房が揺れる。
(可愛いじゃねえか…)
跡部はゆっくりと微笑した。
「…んじゃ、遠慮しねえぜ…」
次の瞬間、跡部は今まで焦らしていたのが嘘のように、真田の腰を抱えると、一気にペニスをずぶずぶと蜜壺に挿入した。
















真田編その5