◇Vita Rosa(ヴィータローザ) 5   






「おっと、ほらほら、大丈夫だ。おじさんは上手なんだぜ?お前に痛い思いはさせねぇよ。気持ち良くてどうにかなっちまうって感じにさせてやるからよ」
「……無理ー!そんな、おっきいの…」
「お、褒め言葉と受け取っておくぜ。…さっきだって気持ちよかっただろ?あれ以上に気持ち良くさせてやるから」
「………」
確かに、先程シャマルに抜かれて、どうにかなってしまう、と思うぐらい気持ちが良かった。
下半身がトロトロに蕩けて脳まで溶けた気がした。
あれより気持ちいい……って、本当だろうか…
──怖い、という気持ちよりも、快感を知りたい、という気持ちの方が勝った。
「……ホントに、痛くない…?」
「あぁ、そのために痛み止め成分の入ってる媚薬も飲ませてあるんだ。すげぇ気持ちいいぜ?」
「………ほんと…?」
「坊主が素直にオレの言う事聞いて、抵抗しなければな?」
そう言うとシャマルはベッドをぎしりと軋ませてツナの隣に横になり、背後からツナをそっと抱き締めた。
「すぐにどうこう、ってわけじゃねぇからな…ほら、身体の力を抜きな、坊主…」
優しく囁かれ、項に口付けられ、胸をまさぐられると、先程の熱が再び身体に灯った。
「…ぁ…ん、…くすぐったい…っ……」
「可愛いなぁ、坊主…オレの言うとおりにしてれば大丈夫だからな?」
「………うん」
やはり媚薬が理性を飛ばしているのだろう。
身体の中の熱が全身に広がっていく。
「じゃ、四つん這いになってみろ。ベッドに手足付いて、ああ、身体起こしてるのがだるかったら、足だけでもいいぜ?」
身体を抱き締められ、俯せにさせられる。
腰を両手で掴まれて高く上げさせられ、ツナはベッドの上でシャマルの言うとおり四つん這いの体勢を取った。
「イイコだ、……可愛いぜ…」
背中に軽くキスをされた。
擽ったくて少し身体を震わせると、シャマルが背中から背骨をたどって尻肉を柔らかく撫でてくる。
「坊主のお尻は白くてちっちゃくて食べちまいたいぐらい可愛いな…」
褒められて喜ぶべきなのかどうなのか…。
などとつまらない所で考え込んでいると、尻たぶの割れ目に沿ってシャマルの指がすうっと動いてきた。
何か、指につけたらしく、ぬるりとした感触がする。
「……な、に…か、…つけてる…?」
「あぁ、分かるか?痛くねぇようにな…ローションでたっぷり濡らしてやるからな。媚薬入りだから、尻も気持ち良さ満点だ…もうちょっと足、開いてみろ、坊主」
膝の間にシャマルの身体が入ってきて、足を大きく開かされる。
「……ぁ…や、…な、んか…」
思いっきり尻の真ん中を露わにした格好にさせられて、ツナは顔を赤らめた。
さっきからもう恥ずかしい事を十分にしているのだから今更だが、考えてみると、尻の孔を他人に見せるとか、そんなとんでもなく恥ずかしい事をしているわけだ。
(あ、でもシャマル医者だし……)
屁理屈で誤魔化して、自分が理性を失って情欲に負けているのを考えないようにする。
シャマルの指先が、人肌に暖まったとろりとしたローションとともに、ツナのアナルに触れてきた。
襞の一つ一つにローションをたっぷりと馴染ませ、指の腹で広げて柔らかくマッサージをしてくる。
「……あ、あんっ……へんな、感じ、が、する…」
「変じゃねぇだろ……気持ちいいだろ…?」
「…う、うん……きもち、イイ……」
「坊主、素直で可愛いぜ。…坊主のお尻の穴も可愛らしい。柔らかくて、綺麗な色だ…」
「色って…見えない、から、知らない……」
「ははは、坊主は知らなくていいぜ。…指、入れるぜ…?」
ぬるり、と指が1本アナルを押し広げて入ってきた。
全く痛くなかった。
それどころか、入口を擦られ、体内を指先で弄られて、ローションがねっとりと粘膜を火照らせてきて、じんじんする。
焦れったくて、もっと弄って中を刺激して欲しくなる。
うずうずして、ツナは腰を揺らした。
指がぐっと挿入され、内部を擦ってくる。
「あ、あっっっ!!」
突如焼け火箸でも押しつけられたかのように鋭い快感が脳天まで突き抜けて、ツナは思わず悲鳴を上げた。
「だ、だめっっ、なんかっっっ!」
「刺激強すぎたか?じゃ、もうちょっとソフトにな…」
シャマルの低音が後ろから響き、今度は指がソフトタッチで内部の一点を押してきた。
「……あっ、あっ…やっっ……ああっっ…!」
尻たぶをきゅっと引き締め、シャマルの指が伝えてくる悦楽に耐える。
自分の身体の中に、こんな敏感な部分があるなどとは思ってもいなかった。
腰が小刻みに震えて、汗が滲み出る。
媚薬のせいもあるのだろう。
はぁはぁと肩で息を切らし、シーツを握りしめ、ツナは火照った頬を枕に押しつけた。
シャマルに弄られている部分から、うずうずする甘い痺れがさざ波のように広がっていく。
腰から背中、胸、頭まで来て、脳内を侵していく。
足先まで震えが伝わって、爪先まで熱くなる。
「気持ちいいだろ……?」
シャマルの問いに、ツナはこくこくと頷いた。
指がぐりぐりと内部で掻き回され、ツナはそのたびに白くしなやかな身体をベッドの上でのたうたせた。
シャマルは急がなかった。
1本の指で十分に内部を掻き回し、入口がすっかり解れて鮮紅色の粘膜が見え隠れする様を眺めて黒い眸を細める。
それからおもむろに指をもう1本すっと挿入する。
2本の指をばらばらに動かして、内壁を少しずつ解し、媚薬入りのローションで馴染ませていく。
入口部分を丹念に揉み込み、ゆっくりと広げていくと、じきにツナのアナルは容易に3本の指を飲み込むまでになった。
ツナは、というと既に目を閉じて枕に顔を埋めたまま、はぁはぁと息をし、シャマルの動きに合わせて尻を動かしている。
「気持ちいいだろ?」
シャマルの問には素直に頷き、もっと、というように尻を突き出してくる。
こりゃ、生来の天賦の才があるかもしれねぇな──と、シャマルは内心舌を巻いた。
リボーンからツナを開発してくれ、と頼まれた時はいくら自分でも無理かもしれない、と思ったのだが、ツナには元々人を惹き付ける素質がある。
それが性行為の方でも遺憾なく発現された、ということか。
本人には自覚がないようだけに、危険でもあり、魅力でもある。
シャマルも興奮を抑えきれなくなってきた。
もう数十分はツナの後ろをほぐすのに時間を費やしている。
そこまで我慢した自分も偉いと思う。
(そろそろ……いいか…)
すっかりくたっとなって、シャマルの言いなりに尻を突き出してあられもなく鮮紅色の腸壁を晒しているツナを見て、シャマルはゆっくりと指を引き抜いた。
直にペニスを挿入して、直接ツナの柔らかい内部を堪能したい所だが、それはリボーンから禁止されている。
それをしていいのは守護者だけだそうだ。
他の者の精液がボスの中に入るのは禁忌らしい。
少し、いやかなり残念ではあったが、シャマルは自分の太く猛々しいペニスにコンドームを装着した。
それにもたっぷりとローションを塗って、滑りをよくする。
「…シャ、マル…?」
「痛くねぇからな…?ほら、身体の力抜いて……深呼吸、してみろ…」






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