◇僕とボンゴレ  3   






驚きのあまり硬直していると、あっと言う間に骸にパジャマを脱がされる。
「おや、元気ありませんね…僕のはもうこんなになってますよ、ボンゴレ…?」
クフフ、と笑いながら骸がパイナップル柄のパジャマを脱ぎ捨てたので、ツナの目の前に骸の勃起した元気の良いペニスが突き出された。
「………!!」
驚愕で声が出ない。
口をぱくぱくと金魚のように開け閉めするばかり。
「君のも元気にしないとですね…」
不意に両膝を掴まれて、ぐいっと広げられる。
呆然としていて抵抗できないでいると、自分の股間に藍色の頭が入ってきて次の瞬間、ぱく、とツナのペニスは骸の咥内へ咥えられてしまった。
「……ひゃっ、や、ちょ、ちょっとー!!」
くすぐったいというか、背中がぞくぞくするというか、なんともいえない感覚が走り抜ける。
ぴちゃぴちゃと唾液の音を立ててツナのまだ勃起していないペニスを根元から吸い上げて甘噛みし、骸は目を上げて赤い瞳をウィンクして見せた。
「やっ、駄目っ、離せってば!!」
足をばたばたさせて逃れようとしたが、骸の方が圧倒的に体格がいいので、簡単に押さえ込まれてしまう。
骸の髪を引っ張って引き剥がそうとしたが、その手もぴしゃっと叩かれた。
「いててて!」
「煩いですね、抵抗するならこうですよ?」
骸が眉間に皺を寄せて一旦口からツナのペニスを離すと、先程髪を拭いていたタオルでツナの両手首を素早く縛った。
縛っただけではなくて、その手をベッドヘッドの柱に括り付けてしまう。
「……ちょ、ちょっと…!!」
万歳の格好で拘束されてしまい、ツナは涙が溢れてきた。
「はい、これでいいでしょう。痛くしませんから、安心しててくださいね?」
涙目のツナににっこりと笑って、骸が再びぱくりとツナのペニスを咥える。
「うわぁっ!
今度は敏感になっていたのか、咥えられてダイレクトに刺激が背筋を走り、ツナは思わず悲鳴を上げた。
「おやおや、随分と大きな声を……。まぁ、感度がいい、ということなんでしょうが、少し謹んでくださいね?」
「……む、くろーっっ、やめてよっっ!」
腕は縛れているし、足はがっちりと押さえ付けられているし、股間の恥ずかしい場所は骸に舐められている。
情けないやら恥ずかしいやら、ツナは涙で顔がぐちゃぐちゃになってしまった。
「大丈夫、そのうち気持ち良くなりますから…」
(大丈夫じゃないよー!)
と心の中で叫んでみるものの、骸に伝わるはずもなく、それどころから確かに骸の舌と歯で絶妙に扱き上げられて、ツナの萎えたペニスはいつの間にかむくむくと勃起していたのだ。
「クフフ……可愛いですねぇ…」
舌で裏筋をざらり、と舐め上げながら上目遣いに骸が含み笑いして言ってくる。
かぁっと頬が赤くなって、ツナはぎゅっと瞳を瞑った。
骸ってこんなヤツだったんだっけか?
──とか悠長に考える場合じゃない!
(でも、……あ、なんか気持ちイイかも……)
男の一番敏感な部分をしかも粘膜で擦られているのである。
気持ちよくないわけがない。
ついついとろんとした目を開けて快感を追い始めると、それを見て骸がオッドアイを細めた。
「遠慮しないで出していいですよ…?こっちも弄ってあげますからね…?」
骸のしなやかな指が、ツナのペニスの下、張り詰めた陰嚢の中の玉をころころと転がすように揉んでくる。
「ッ、あ、ッアッアッ───ッッッ!!」
元々こんな事誰にもされた事が無い上に、一人エッチだってしたことがないツナにとっては、刺激が強すぎた。
腰がふわんと宙に浮いたような浮遊感と共に、一気に絶頂を迎える。
顎を仰け反らせ、拘束された手首をベッドの上で動かしてシーツを掴み、ツナは骸の口の中に思いきり射精した。







「…………は、ぁ……」
頭の中が真っ白になった。
すごく、気持ちがいい。
どうにかなっちゃいそう……
なんで、オレ……
「クフフフ……早いですね……可愛い、ボンゴレ…」
骸が少しくぐもった声で言った。
口の中にツナが放ったものを溜めたまましゃべっているらしい。
そんな汚いものすぐに吐き出せばいいのに……などとうっすら思ったが、それよりも全身を覆う射精の余韻に、ツナは身体を弛緩させてくったりとしていた。
既に抵抗しようとか、そういう気もなくなっている。
足を大きく開いたまま、あられもない格好を晒して、後頭部を深くベッドに沈ませはぁはぁと忙しく息を吐いていると、骸がゆっくりとツナの内股を掴んで更に広げ、ぐっと上に持ち上げてきた。
赤子がお襁褓を変えるときのような情けない格好になってしまったようだが、ツナはなんだかもうどうでもよくなってしまった。
「素直な君は本当に可愛いですねぇ…」
クチュ……と、淫猥な水音がして、骸の濡れた唇が、押しつけられる。
その押しつけられた部分が部分だけに、ツナは一気に覚醒した。
「ちょ、ちょっと待った!」
「……ン?」
骸の唇は、ツナのアナルにぴったりと押しつけられていたのだ。
「だ、駄目だよっ、そんなトコ……汚いってばッッ……あ、あッ…駄目駄目っっ!」
などと言ってばたばた身体を動かそうとしてみるものの、やはり骸にがっちりと押さえられている。
骸の舌がすうっとツナのアナルを縁取っている襞を擽っては、口の中に溜めたツナの精液を舌の上に乗せて、アナルの中へと送り込もうとしている。
「──あ、あっ、くすぐったいってばぁッッ…や、だよっっっ!」
と、泣きそうな声で懇願してみるものの、骸が聞くわけもない。
ぬるりと舌が信じられない箇所に入り込んでくる。
同時に指も1本入れられたようだ。
無意識に括約筋を締めて指がそれ以上は入らないようにしたが、入口付近で指をぐりっと動かされて、ツナはたちまち降参した。
こんな所が気持ちイイなんて……
(オレって、変態……?)
指がぐっと入り込み、腸壁をぐいぐい押しながらぐるりと回される。
「──うぁあッッッ!」
一瞬びくん、と身体が跳ねて、ツナは茶色の目を見開いて叫んだ。
どこか……ものすごく感じる部分があった。
火傷したような、表現しようのない、快感。
まるで、……骸の槍でペニスを刺されたような……そんな衝撃。
「だ、だめっっ!!」
「……ここがイイんですね…クフフ…」
クチュクチュ、と水音が聞こえ、指がぐりぐりとその部分を擦ってくる。
「あっ、はっ……くッッ……や、いやだッッ……駄目ッッ!」
だんだん声も弱々しくなってきた。
駄目とか言っていても、実際には気持ち良くてどうにかなりそうなのだ。
ツナは顔を左右に振った。
気持ち良すぎて、どうにかなりそうだった。
こんな性的な刺激を受けた事は今までにない。
射精したというだけでも、自分にとってはものすごい衝撃なのに。
「あ、ん、…っっ、む、く、ろッッッ……や、っっ…」
指が2本に増やされたらしく、ぐりぐりと抉ってくる刺激が強まった。
息も絶え絶えに喘ぎながら、骸の名前を呼ぶと、骸が顔を上げて指を挿入したまま、ツナの上に覆い被さってきた。
「いやじゃないでしょう、…また、大きくなってきましたよ、君のここ…」
ぎゅっとペニスを握り込まれて息を飲む。
「駄目っ、駄目っ……!」
「…もう、我慢できませんか?…クフフ、実は僕も何です。こんな可愛い君を前にして、我慢できるわけありませんよねぇ?」
「っていうか、可愛くないって、オレ!」
と、頭の片隅に残っている理性で反論してみるものの、次の瞬間、指がぐっと引き抜かれ、そこに何か熱くて堅くて弾力のあるものがおしつけられて、ツナははっとした。
(ま、まさか………)
さすがにツナでも、男同士でどういうふうにセックスするのかぐらいは知っていた。
が、知っているのと実践は、天と地ほども違う。
「……む、くろ……無理……だ、め……無理、無理!」






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