「な、なんだとぉ?テメェ…このクソ野郎がっ!」
「おっと、スクアーロ。ちょっとでも動いたら、ザンザスがどうなるか分かるよなぁ、お前だってバカじゃねぇ」
「跳ね馬……ッッ、ク、クソぉッッ………オレが代わるから、ボスは許してやってくれぇ…!」
ディーノの態度が変わらない事を知ったスクアーロが、悲痛な叫びを上げる。
ソファから立ち上がろうとして、ディーノに釘を刺された事を思い出し、奥歯をぎりぎりと噛み締める。
ソファの肘掛けを血の気が無くなるほど強く握りしめて、わなわなと震える。
そのスクアーロの様子がザンザスの視界の端に入った。
ザンザスは、自分のシャツを勢い良く引き裂いた男が、更に自分の下衣のベルトを外し、着衣を引き剥がすのを抵抗せずじっと眺めていた。
スクアーロが銀蒼の眸を張り裂けんばかりに見開いて、泣きそうな顔をして自分を見つめてくる。
その隣で、ディーノが今までに見た事もないような酷薄な微笑を浮かべ、自分のほんのちょっとの動きも見逃すまいとするかのように食いつくような視線で見つめてくる。
と、乱暴に下衣を引き抜かれ、ザンザスは無理矢理両脚を足首を掴まれ、左右に大きく開かされた。
「ボ、ボスッ!」
スクアーロがぎょっとして顔を背ける。
すると、スクアーロのソファの背後に立った男が、スクアーロの頭をがっと掴んで無理矢理正面を向かせた。
「スクアーロ、目を瞑ったら駄目だぜ。オレの命令には絶対に従えよ、分かってんだろうな?これからザンザスがやられる所をお前が全部見るって事が、ザンザスを許す条件だ」
「な、なんで、そんな事を!テメェ!クソぉッッッ!」
「……ハハッ…」
スクアーロの必死さに比べてディーノは落ち着いたものだった。
ソファにゆったりと足を組み、顎で、全裸になった屈強な二人の部下達に指図をする。
男たちが頷いて、ザンザスにのし掛かってきた。
ザンザスの服を引き剥いだ男は、新たに近寄ってきた二人の男に場所を譲り、今度は自分が服を脱ぎ始める。
全裸の男の一人がベッドサイドからローションを取り出す。
「一応痛い目には遭わせねぇつもりだから。優しいだろ、オレって」
ディーノがベッドの上のザンザスに聞こえるように言った。
まるで他人がされるのを見ているかとでも言うように、ザンザスはぼんやりと自分に加えられる恥辱を眺めていた。
両手首を掴まれ、万歳の格好に上に持ち上げられる。
今までボンゴレファミリーの御曹司として過ごしてきたザンザスは、このような乱暴な扱いなど受けた事がなかった。
9代目に引き取られてからというもの、自分の地位や自分の灯す憤怒の炎に周囲は皆恐れをなし、畏怖の念を持って接し、自分に面と向かって刃向かってくる者など、誰一人いなかった。
父親と信じていた9代目でさえ、ザンザスに何かを言ってくるという事はなかった。
ましてや、このように肉体的に直接に屈辱を加えられる事など何も。
あの、クーデターの時以外は。
そしてザンザスは、8年間氷の中で眠っていた事により、この手の事に全く経験がなかった。
自分が何をされるか、それはおぼろげながら分かるものの、実際にはそれがどういう痛みを伴うものであるか、或いはどういう恥辱なのか、それすら茫洋として分からなかった。
頭の上で手首を一纏めにされ、そこを男が着けていたネクタイで強く縛られたようだった。
「っ……」
微かな痛みが走り、ザンザスは喉奧で低く呻いた。
「…ボスっ!!」
スクアーロの声が聞こえる。
手首は1本のネクタイによって強く縛られ、もう1本のネクタイによってベッドヘッドの柱に括り付けられた。
普段の自分ならば勿論、このぐらいの拘束では炎を使えばいとも容易く外す事はできる。
が、今自分は罰を受けている途中なのであり、自分の態度如何でヴァリアーやスクアーロの処遇が決まるというのならば、動くわけにはいかなかった。
男たちは無言で、両手を拘束したザンザスを仰向けにベッドに沈めた。
一人がローションをおもむろにザンザスの股間に振りかけた。
「…う…」
冷たいとろりとした粘液が自分の萎えたペニスや陰嚢、更にその下まで滴っていく。
ぬるりとした表現しようのない感触に、ザンザスは微かに顔を左右に振った。
「ははっ、結構悪くねぇんじゃねーの?なぁ、スクアーロ、見てみろよ。ザンザスのやつ、結構こういう姿似合うぜ。身体の傷がまた色っぺーよな」
「くそッ、テメェッッ、ボスに向かってなんてこと言いやがるっっ!」
「ま、これからお前のボスの色っぽい姿がいっぱい見られるってわけだから、楽しみにしてなって」
「跳ね馬ぁッッッ!!」
耐えきれずに殴りかかろうとしたスクアーロの両手が、背後からがっちりと拘束される。
その間にもベッドの上では粛々と事が進んでいた。
三人の男のうち二人がザンザスの脚を1本ずつ掴み限界まで広げさせる。
その大きく開いた脚の間に入った男が、黒光りのする巨大なペニスにローションをふりかけ、てらてらと光る其れを更に自分で扱きながら、無表情にザンザスの露わになった後孔に押し当てた。
さすがに背筋に悪寒が走り、ザンザスはぐっと眉を顰めた。
「スクアーロ、よーく見てろよ?」
ディーノのおどけたような声が聞こえる。
「………く、うう……ッッッッッ!!」
次の瞬間、激烈な痛みが後孔から稲妻のごとく背筋を駆け上って、脳に突き刺さってきた。
ザンザスは瞬時陸に打ち上げられた魚のように背中を跳ねさせた。
男のえらの張った堅い凶器がローションのぬるぬるとしたぬめりを借りて、無理矢理にザンザスの後孔に突き立てられたのだ。
「ぅくッ……っっ…ぐっ…ッッッ!」
痛みには慣れていて、我慢強いはずのザンザスでも、このような場所にこのような痛みを加えられる事は今までに経験がなく、声を抑える事ができなかった。
全身が痙攣したように震え、どっと冷や汗が溢れる。
「ボス、すげぇきついですよ…」
ザンザスを犯しにかかった男が、ディーノに向かって言う。
「はははっ、そうなのか?ザンザスって処女なんじゃねーの、スクアーロ?もしかして童貞なのかなー。悪くねーよなぁ。…今の声、聞いたか?すげぇ色っぽくてイイ声出すぜ」
「テ、テメェ…っっ!」
スクアーロが見ていられないのだろう、目を閉じようとするところをディーノがすかさず、
「目を瞑ったら駄目だぜ?お前がもしザンザスから目を離したり目を瞑ったりしたら、ザンザスの罪は許さねぇって言ったろ?」
と、冷酷に釘を刺した。
ディーノの一声で、スクアーロは顔をこれ以上ないほど歪ませてディーノを睨み、悔しさのあまり、銀蒼の眸に涙を浮かべながらザンザスを見た。
傷跡の所々残る引き締まった男らしい身体に、大きな男がのし掛かっている。
一人はザンザスの両手を押さえ、残りの二人はザンザスの足首を掴んで上に持ち上げ開かせている。
スクアーロの位置からは、ザンザスの表情は見えなかったが、腰から下、男が太いペニスをザンザスのアナルに半分ほど突き入れているのが良く見えた。
なかなか入らないのだろう、のし掛かった男は手を伸ばしてザンザスの萎えているペニスを無造作に掴んだ。
「……うッッッ!」
ザンザスが低く呻いて、堅く閉じていた目を見開いた。
脳内に鋭い針を何千本も突き刺されるような激烈な痛みの中に、種類の違う刺激が入ってくる。
ペニスを根元から絶妙に扱かれ、痛みとない交ぜになって快感が襲う。
「…う……ぅ…ッッッ」
後孔がペニスへの刺激によって緩んだ所に、男がすかさず腰を押し進め、太く長いペニスを根元までずぶずぶと突き入れる。
「ボス、全部入りましたぜ」
男がディーノに報告する。
「フフン…」
ディーノが鼻で笑って、もう一人のザンザスの手を押さえている男に顎で指図した。
その男が頷いて、ベッドヘッドに置いてあったカプセルを一つ、シートから引き出す。
サイドテーブルに置かれた水差しから水を口に含みカプセルを己の口の中に入れると、そのままザンザスの唇に自分の唇を覆い被せて流し込む。
ごくり、とザンザスの喉が上下し、カプセルを飲み込んだのを確認してから顔を上げ、ディーノに目で報告する。
わなわなと身体を震わせながらその様子を見ていたスクアーロが、ぎりっとディーノを睨んだ。
「テメェ、ボスになにを!」
「痛いだけじゃ気の毒だからさ、ザンザスも楽しめるようにした薬だよ。お前だって見たいだろ?ザンザスがよがって自分から強請る姿をさ」
「く、くそぉッッ、ンなもん見たくねぇ!」
「そうか?そうは思わねーぜ。オレは見てーな。速効で効くやつだから、すぐにヨクなる。…よし、じゃあ続けろ」
ペニスを埋め込んだ男が頷いて、ゆっくりと動き始めた。
ずる、と言う粘着質で淫靡な水音が部屋に響く。
鋭い痛みと、下から内臓を突き上げられるような不快感、嘔吐感。
しかし、多量のローションを使用し、ゆっくりと挿入されたせいか、ザンザスのアナルは裂ける事はなかった。
どこか感じる部分に当たるのだろうか、数回内部を擦られている間に震えるような快感が全身を襲い、ザンザスは息を飲んだ。
「うッッ……く、ッッ……!」
更に全身が発熱したように熱くなってきた。
今の今まで痛みと嘔吐感が支配されていた脳の中が、如何ともしがたい焦れったい快感に取って代わって、ザンザスは狼狽した。
「くッッ……はッ…あッ……い、いッッ……、はぁッッ!」
息が荒くなり、胸筋の発達した胸を大きく上下させ、ザンザスははぁはぁと息をした。
男が入っている尻の中が熱い。
熱くてどうにかなりそうだった。
それは痛みではなかった。
男が腰を引く。
ぐっと突き入れる。
するとズキン、と尾てい骨から背骨を駆け上って脳髄まで、全身を貫くような甘い衝撃が突き抜ける。
「はッ……あ、…はぁッ……うッッ……ふ、ッ……ん──ッッ、く、ぁあッッッ」
「…ボスッッ!」
見ていられない、というようにスクアーロが無意識に顔を背けようとして、ディーノの部下によって乱暴に顔を元に戻される。
涙がぽろぽろとスクアーロの美しい銀蒼の目からこぼれ落ち、頬を伝い滴り落ちていく。
「ンなに泣く事ねぇじゃねーか?良い感じになってきたぜ、ザンザスのやつ。感じてやがる、ハハッ。こうやって男の慰み者になってよがってんのも悪くねーかもな」
「テッ、テメェッッ!ぶっ殺してやるッッッ!」
「おいおい、そういう物騒な事を言ったら駄目だって言っただろ?たとえ冗談でもな、スクアーロ?」
ディーノがふん、と鼻で笑って愉しげに琥珀色の瞳を細める。
その間にも、すっかりローションが馴染み柔らかく解れてきたザンザスの後ろを男が容赦なく蹂躙していく。
ベッドがぎしぎしと軋み、男が腰をぱんぱんとザンザスの尻に打ち付けて、動きをどんどん早くしていく。
「イっていいぞ?」
ディーノの声に男が頷くと、男はザンザスの腰をしっかりと掴み、更に一際動きを速めた。
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