「じゅ、十代目っ!」
獄寺君が慌てふためく様が面白い。
色白の顔がほんのり赤らんで、緑色の綺麗な眸が丸くなる。
「獄寺君なら上手だろうし…オレって殆どやったことないんだよね…。獄寺君のお手本にしたいなって思って」
「だ、駄目っすよ、十代目っ…そんな、十代目の前でなんて」
「…どうして?」
少し冷たい声音にしたら、獄寺君がびくっとオレを見てきた。
獄寺君は、オレに逆らえない。
オレに冷たくされるなんて、耐えられないはず。
そうでしょ、獄寺君…?
「獄寺君は経験豊富だから、オレの事なんかバカにしてるかもしれないけどさ」
「そ、そんな事無いっす!十代目の事は誰よりも尊敬してます!」
あ、少し怒った?
それともオレに対する忠誠心を疑われて、傷ついたのかな?
獄寺君が悔しそうにオレを睨んできたのを見て、オレは内心ほくそえんだ。
悲しげに肩を落として、獄寺君をちらっと見る。
「オレさ、自分が何も知らないから、すごく情けないんだ。普通だったら誰にもこんな事言えないし、恥ずかしいよ。でも獄寺君ならこういう事打ち明けても、オレの事バカにしないし、きっと親身になって教えてくれると思ったから…もし駄目ならいいんだ。オレ、どうせ駄目ツナだから…」
「十代目は駄目なんかじゃないっす!」
獄寺君が勢い込んで言ってきた。
「十代目は誰よりもボスらしくて器が広くて素晴らしい人っす」
「獄寺君がそう思ってくれるんなら、嬉しいな…獄寺君だけだよ、オレの事そんなに思ってくれるの……だから、恥ずかしいけど打ち明けてみたんだ。ねぇ、獄寺君…獄寺君だけだよ、こんな事言ってみたの…獄寺君なら、きっとオレの願いかなえてくれると思ったから。……獄寺君なら…」
「十代目…」
「オレの右腕なんでしょ、獄寺君……君だけだよ、こんなお願いするの……見せてくれない…?」
「…はい」
俺が下手に出てお願いする格好をし、上目遣いに獄寺君を見たら、獄寺君が表情を和らげてこくんと頷いた。
さすが獄寺君。なんて素直なんだろう。
そんなんでよくスモーキンボムとか呼ばれてイタリアでマフィアしてたね。ちょっと驚くよ。
「本当?有難う。……じゃあ、下、脱いでオレに見せてよ…オレ、よく分かんないからさ…よく見ておきたいんだ」
オレがにっこりすると獄寺君はすっかり羞恥心を忘れたみたいだ。
オレの笑顔って絶大な効果があるんだね。
オレの笑顔に合わせて笑って、いそいそとズボンのベルトを外しにかかる。
ベルトと一緒にダイナマイトのベルトも外して脇に置き、前をくつろげて脱ぎ始める。
ズボンを脱ぐと、下着はグレイのボクサーパンツだった。
格好いいな、やっぱり。
すらりとした足が露わになる。
色白だけど、筋肉質でたるんだ所なんてない脚。
毛深いのかな、なんて思ってたけど、全然そういう事がなくて、内股とかすべすべしてる。
オレがまじまじと脚を見ていると、獄寺君が視線を彷徨わせて困惑したように瞬きした。
「十代目、そんなに見なくても…」
「えー、だってオレに教えてくれるんでしょ、獄寺君。…パンツも脱いでね?」
「……了解っす…」
了解とは言ったものの、やっぱり恥ずかしいらしい。
オレに背を向けて脱ぎづらそうに前を隠しながらパンツを脱ぐ。
獄寺君の形の良い尻がオレの目に飛び込んできた。
きゅっと引き締まっていてぜい肉なんかどこにもついてない、綺麗な尻。
「こっち向いてよ、獄寺君……それじゃ分からないよ…」
焦れったくなって催促すると、獄寺君が頬を染めてオレの方に向き直った。
肝心の所を、シャツの裾で隠している。
それじゃ、つまらないよ。
君の恥ずかしい姿が見たいんだから。
オレは手を伸ばして獄寺君のシャツの裾を払った。
………うわ、大きい。
大きいっていう表現はちょっと当たらないかも知れない。
獄寺君のそれは長くてすらっとしていて、色が薄かった。
オレに見られてるからだろうか、既に半分ぐらい勃起していた。
他人の勃起した性器なんて見た事がなかったから、オレは瞬きもせずにそれを眺めた。
獄寺君のはもう皮がすっかり剥けていて、先端が綺麗な薄桃色をしていた。
本当に綺麗で、卑猥な感じがしない。
じっと見つめると、ぴく、と脈打って、むくむくと頭を擡げ、先端の小さな割れ目から透明な雫を滲ませてくる。
……なんか、すごいな…。
オレに見つめられてすっかり興奮しちゃったんだろう、獄寺君が覚悟を決めたように自分のペニスに指を添えてきた。
「じゃ、十代目……あの、そんなうまくないっっすからね?参考にならないと思いますが…」
アハハ、別に参考とかね、そういうの嘘だから。
真面目に答えている獄寺君、可愛いな。
オレは獄寺君がオレの言うとおりになんでもする所が見たいんだよ。
恥ずかしい事も、情けない事も、屈辱的な事でも、なんでもするんだろう、オレが命令すれば。
獄寺君の言葉ににこっと笑って頷いてみせると、獄寺君が頬を赤くしたまま俯いた。
胡座を掻いて中心のペニスをぎゅっと握り、息を詰めて扱き始める。
ふーん…獄寺君ってこういう表情でオナニーするんだ…。
ほんのり赤らんだ頬。
目を伏せると長くカールした睫が白い頬に映えて、更に可憐だった。
唇を微かに震わせて、時折奥歯を噛み締めているみたいなのが、オレをぞくぞくさせる。
あ、なんか、オレも興奮してきたかも。
獄寺君で興奮するなんて、と思ったけど、下半身が熱くなってきて、ズボンの中で自分のそこが堅くなるのが分かった。
「…ん、く…じゅ、だいめ……ッッ…」
獄寺君の掠れた声。すごくぞくっときた。
「こういう時って何想像してるの……?」
小声で囁くと、獄寺君が灰翠色の眸を上げた。
濡れた眸。震える睫。
本当に綺麗だ。
「…べ、べつにっ……そのっ、普通に、オンナとか…」
獄寺君が口籠もる。
先走りが獄寺君の指先を濡らして部屋の照明にきらりと光る。
すごく淫猥で、オレはぞくぞくした。
「へぇ、女の人なんだ……オレじゃなくて?」
突っ込んで聞いてみたら、獄寺君がぱっと頬を赤くした。
「じゅ、十代目の事なんて、畏れ多いっす!」
「オレは君が女の人とか想像してる方がやだな。……ね、オレに触られたい、とか思ってない?」
「十代目……」
獄寺君の灰翠色の眸が左右に忙しなく揺らめいた。
困惑して、どう返事していいか分からなくて、桃色の舌を出して下唇を舐める。
その動作も可愛くていやらしい。
オレは手を伸ばして獄寺君のペニスの先端をぎゅっと握ってみた。
「十代目っ!!」
ぬるっとした感触と熱くつるりとした先端の弾力に、オレの下半身もかぁっと熱くなる。
そのまま弾力のある果実のような其処を潰すようにすると、獄寺君が形の良い細い眉をキュッと寄せた。
「だ、駄目っす…十代目、手が汚れますっ!」
「ね、こういう風に、オレにしてもらいたくない?どう、獄寺君?それとも、いやかな?女の人にしてもらった方がいい?」
「………」
獄寺君の眸が更に左右に彷徨った。
けれど、獄寺君自身は正直で、オレが握った途端にむくりと堅くなって、先走りが更に滲み出てきている。
オレだって他人のに触るとは思ってなかったけどね…でもまぁ、獄寺君は他人っていうよりはオレの所有物みたいなものじゃない?
オレのものだから、オレが自由になんでもしていいわけだしね。
「オレの事想像して、抜いたりした事、ある?」
「……申し訳、ありません……」
へぇ、ちょっと驚いた。本当にあるんだ?
「オレにどうされてるの想像してたの?」
「十代目に……こんな感じに触れてもらって……」
誘導尋問みたいに、獄寺君が答える。
獄寺君が本当にオレにそんな事されてるの想像して抜いてた事があるかどうかはさだかではないけれど、まぁ、今の獄寺君はすっかりオレにされて気持ちよくなってるみたいだね。
でも、オレ、女の子じゃないし。
普通に男だから、女の子みたいに獄寺君を入れる場所とかないよ。
あぁ、男同士だと、使える場所があるんだっけ。
オレだってそのぐらいの知識はある。
勿論、オレは普通に男だから、オレが入れられるとかあり得ない。
オレが、獄寺君に入れるってのなら有りかな…。
オレは先走りでねっとりと濡れた指を動かして、獄寺君のその場所を探った。
「じゅ、だいめッッ!」
獄寺君がはっと息を飲む。
形の良い双丘の筋肉が引き締まって、オレの指を挟み付けてきた。
そんな風に反応されたら、ますます、君を苛めたくなっちゃうよ、獄寺君。
オレの、言いなりの、可愛くて素直な君。
「力、緩めて…?」
囁くと、獄寺君が細い眉を寄せて困ったように瞬きした。
オレが目線で促すと、オレの指を挟み付けていた尻肉が緩まる。
そこをすかさず指を進めて、オレは獄寺君のアナルをまさぐった。
指があまり濡れてなかったから、滑らかにってわけにはいかなかったけど、獄寺君のそこは慎ましやかに窄まっていて、指でぐるりと襞をなぞるとぴく、と襞が震えた。
──可愛い。
いつもなら元気な獄寺君が、オレにこんな事をされて、抵抗できないで困惑して、頬を染めて俯いている。
オレにされて、嬉しいみたいだ。
ペニスはすっかり勃起して、桃色の先端が濡れて輝いている。
透明な粘液がくぷ、と先端の窪みから滲み出て、まるで剥きたての桃からみずみずしい果汁が漏れ出たよう。
その粘液を指にたっぷりとつけて、再度獄寺君のアナルをまさぐる。
「力入れちゃ駄目だよ、獄寺君…力抜いて…」
アナルがきゅっと締まってくるから、獄寺君に少し冷たい声でそう言った。
獄寺君がびくっとオレを見て、すぐに視線を逸らして、唇を噛む。
アナルが緩くなった所にオレは人差し指をすっと挿入した。
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