「おお、パオパオ師匠、おはようございます!」
ラブホについてリボーンの後からしおしおとついていく。
部屋に入ると、部屋の中でシャドーボクシングをしていたらしい了平が、リボーンを見て嬉しげに元気よく声を掛けてきた。
「パオパオ師匠じきじきのお呼び出しありがとうございます! お、沢田もいるのか! 一緒に修行か?」
了平がさっと駆け寄ってくる。
リボーンの後からおずおずと部屋に入ったツナは、こわごわ部屋の中を見回した。
普通のラブホテルのようだ。
今までシャマルやディーノと行った部屋は洒落た豪華なシティホテルだったから、それとは様相が異なる。
狭い部屋の中央にでーんとダブルベッドが置かれており、ベッドの反対には壁際に液晶テレビ、続く壁には小さな出窓、棚と、こじんまりとした作りである。
了平は、窓とベッドの間の隙間でシャドーボクシングをしていた。
そんな所でまですることもあるまいと思うのだが、器用に身体を動かしながらやっていた。
リボーンが入ってツナも入ると、了平がリボーンに礼儀正しく頭を下げた。
「パオパオ師匠、ここでどんな修行をやるんでしょうか?」
「それはツナに教えてある。今日はツナがオレの代わりに師匠だ。よく教えてもらうんだぞ?」
「おー、沢田、お前が師匠とはな! 驚きだが、パオパオ師匠直々のお言葉だ。宜しく頼むぞ」
「じゃあオレは帰るぞ」
「えっ、リボーンッ、ちょっと待った! もう帰っちゃうの?」
リボーンが帰ると言い出したのでツナは慌てた。
「ああ、オレがいても邪魔なだけだろ。あとはツナに任せたぞ」
「ちょ、ちょっと待ってよー!」
とリボーンを押しとどめようとしたが、そんなツナにお構いなく、リボーンはさっさと部屋を出て行ってしまった。
「パオパオ師匠ありがとうございました!」
何にも知らない了平が元気よく挨拶をする。
(はぁ、…お兄さんったら…ホント脳天気なんだから…)
「さて、沢田っ、修行だなっ。何をするんだ?」
(え、何って…って絶対言えないよー。…お兄さん、全く気付いてない…)
ラブホテルに入っているというのに全く気が付いていない了平に、ツナはげっそりと肩を落とした。
今までのシャマルやディーノは少なくとも大人だったし、ディーノでも何をするか、はすぐに分かってくれたし、その点ラクだった。
が、了平は……きっと何も分かっていないだろう。
絶対童貞だ。
女性にも興味なさそうだし、頭の中はボクシングの事しかないに違いない。
(あー…どうしよう…)
ツナは頭を抱えた。
(こんなお兄さんとセックス……できるわけない……!)
「沢田、早く修行をしないか? どんな修行だ? パオパオ師匠直々の修行だ。どんなのもで耐えてみせるぞ!」
了平がしゃっしゃっとシャドーボクシングをしながら言ってきた。
(そ、そう………って、そうか、修行でなんでもするのか…)
「じゃあ、お兄さん、きょうは」
「お、なんだ?」
「あ、今日はですね……今までやった事のない新しい修行なんです。リボ、じゃなかったパオパオ師匠から言われてんですけど……大丈夫ですか?」
「勿論だ! なんでもやるぞ!」
「じゃあ、オレのやる事に絶対抵抗しないって約束できますか?」
「うむ、勿論! 何かすごい修行をするのだな?」
(凄い修行でもなんでもないけど…。とにかくお兄さんを騙しちゃえ!)
「じゃあ、お兄さん、あのー…まず、服を脱いでもらえます?」
「おお!」
ボクシングは元々上半身裸でやるものなので、服を脱ぐのには全く抵抗がないらしく、了平はさっと着ていたパーカーとTシャツを脱いだ。
筋肉の程良くついた逞しい上半身が露わになる。
「あー……下も全部…」
しかし、上半身しか脱がないのを見て、ツナがしぶしぶ下もと促した。
「む、全部か? よし!」
単細胞なのか、下もと言われてすぐに脱ぎ始める。
ベルトを外しGパンを脱いで、礼儀正しく丁寧に畳んでサイドテーブルの上に置く。
「よし、脱いだぞ!」
下着も靴下も全部脱いで全裸になっても、特に隠す事もなく堂々として相変わらずシャドーボクシングをしている。
了平の下半身も引き締まって、いかにもスポーツマンらしい体格だった。
股間は、というと、健康な中学生男子らしい、結構な大きさのペニスが、萎えて小さくぶらさがっている。
見ると胸がどきどきしてきたので、ツナは急いでそこから目を逸らした。
「じゃ、じゃぁお兄さん、今度はベッドに上がって仰向けになって寝転んで目を瞑ってください」
「む? ボクシングはやらんのか?」
「あ、今日はですね…」
了平を誤魔化す言い訳をツナは考えた。
「えっと…その、感覚を鍛える訓練なんです。五感を高めてー…えーと…我慢するっていうか…」
「ほう……いつもとは違うな。さすがパオパオ師匠だ!」
全く疑わない所が了平らしい。
「よし、ではこうか…?」
躊躇いもなくベッドに上がるとびしっと手足を伸ばして仰向けになり、目を瞑る。
(…結構なんとかなるかも…)
目を瞑ってじっとしている了平を眺めてツナは思った。
ツナの言う事は何でも従う、という事で話がついているし、このまま襲ってしまえばいいのだ。
(襲うのか……ってオレも随分遠くまで来たなあ…)
と少し遠い目になったが、この際気にしては居られない。
とにかく、了平とセックスして了平の精液を自分の体内に受け入れればいいわけだ。
(なんか、作業みたいな感じになっちゃうけど、とにかくお兄さんだしっ、誤魔化してやっちゃえ!)
ツナは恐る恐るベッドに近寄った。
(うーん……でもやっぱり、うん…難しい…。
その気に、まぁ、オレはならなくてもいいのか。とにかくお兄さんを勃起させればいいんだよね…うーん…
でもお兄さんって、趣味はノーマルそうだし、絶対こんな事予想もしてないだろうし、うん、…とにかく、これはだますしかないや…)
ツナは覚悟した。
「じゃ、お兄さん、ずっと目を閉じて感覚に集中してください。いいですね」
「おう、分かったぞ。極限の修行だな?」
(ま、いっか…)
了平が目を閉じているのをいいことに、ツナは素早く自分の衣服を脱いだ。
全部脱いでしまってもラブホテルの中は空調が効いていて暖かい。
しかも窓には遮光カーテンがしっかりと掛けられ、部屋は少し淫靡な色の間接照明で照らされていて、外が明るいという事も忘れて、部屋の中はそれ目的の部屋であるための効果が存分に施されている。
(こういう所で修行とかあり得ないよね…はー…)
ツナは内心肩を竦めた。
そろそろと了平に近づいて、ベッドに上がる。
膝立ちになって仰向けに寝ている了平を頭の先から足の先まで眺める。
(さすがお兄さん。よく鍛えてるよなぁ…)
ボクシングをしているだけあって、了平の身体は申し分のない体格だった。
盛り上がった胸筋。
引き締まった腰、割れた腹筋。
尻や太腿も余分なぜい肉など欠片もなく、筋肉が張り詰めて如何にもスポーツマンという体格である。
それに比べると自分は……。
ツナは視線を動かして自分の身体を見た。
死ぬ気の炎を使えば爆発的な力は出るが、普段の自分は全く身体も貧弱だし、筋肉はついていない。
修行のおかげで少しはしっかりしてきたとはいうものの、まだまだとても比較になどならない。
(…と、いけないいけない。こんな事を考えている暇じゃなかったっけ。
いやらしい気持ちにならなくちゃ駄目だよね、オレがまず。
とにかくお兄さんのココをおっきくさせなくっちゃ!)
ぶんぶんと頭を振って、ツナは了平の腰を跨いだ。
「…む?」
脚にツナの足が触れたのが分かったのか、了平がぴくりと眉を上げる。
「あ、お兄さん、目は瞑ったままですよ、いいですか?」
「お、おお、大丈夫だぞ、うむ」
全く自分を信じ切っている了平にはさすがに苦笑が漏れる。
(お兄さんもまさかこんな事されるとは思ってないよね、うん、だってオレも思わないし。
…うーん、オレって一体何してんだろう、真面目に考えると怖いー。っていやいや考えちゃだめだ、ここはとにかくリボーンの言う通り、とにかくお兄さんを早くイかせて、やっちゃおう!うん!とにかくそれ!)
いろいろ考え始めると頭の中がぐちゃぐちゃになりそうだったので、ツナはぱっと切り替えた。
(よし!じゃあ、お兄さんのココ!)
目の前にある了平のペニスに神経を集中させる。
そこは下腹部の茂みの中で形良くのびのびと横たわっていた。
他人の性器をまじまじと見るのは、考えてみるとこれが初めてである。
今まで、シャマルやディーノと関係はしたが、その時はどちらかと言うと一方的に奉仕される側であって、自分は目を閉じていれば良かった。
もちろん、シャマルやディーノのものを全く見ていないわけではないが、すっかり完成した大人のペニスとは了平のはやはり違う。
違うとは言っても自分のともかなり違っている。
年が上という事もあるのだろうが、了平のそれは年よりも大きく立派に見えた。
ベッドサイドにおいたローションをちらっと見て、ツナは了平のペニスに視線を戻した。
「じゃ、お兄さん、感覚の方、集中してくださいね?」
そう言うと、右手を伸ばしておもむろに柔らかなその肉棒を掴む。
「うぉ!」
了平が驚いた声を出したが、ツナはそれを無視して柔らかいそれの根元をきゅっと握った。
「おお!さわだ! 一体…?」
「だから修行ですってばー。パオパオ師匠からこういうふうにしろって言われてるんです。お兄さんは言うとおりにしてください!」
「そ、そうか、うむ…」
「いいですか?感覚を研ぎ澄ます修行なんだから、お兄さんはオレがいま触ってる所に感覚を集中してくださいね?」
「うむ、そういうものか。よくわからん修行だが…よく分かった、がんばる」
(あはは、お兄さんってオレオレ詐欺とかですぐ騙されそう…)
肩を竦めてツナは、了平の屹立をゆっくりと扱き始めた。
正常な発育を遂げている男子だから、そこは生理的な刺激を受ければすぐに反応を示す。
手の中の柔らかかった肉塊がすぐに張り詰めて堅くなってきて、それとともに先端の亀頭が包皮から頭を見せてくれるのをみて、ツナは我知らずごくりと唾を飲み込んだ。
(あれ、なんか変な感じ……)
別に興奮しているわけでもなかったはずなのだが、変化する了平のそれを見ていると、身体の芯がじわっと熱くなってくるような気がする。
指でぎゅっと握りしめ、上下に扱くと、頭がつるりと揺れて擡げ、先端から透明な雫が滲み出てくる。
まじまじとそれを見てツナは思わず息を飲んだ。
なんか変な感じだ。
おかしい。
自分の身体が熱くなってくる。
単なる契約なのに、それ以上に自分が今手で握っている所に目が行って離せない。
(あれ……?)
自分の下腹部に目をやると、自分のペニスも頭を擡げてきているのに気付いて、ツナは驚愕した。
頬がかっと熱くなる。
下半身に血が集まって、なんとも言えない刺激が身体の中を走り抜ける。
(なんだろう、これ。オレ、おかしいよ…。おかしくなっちゃったのかなぁ…変だよ…)
とは思ったが、手の中の熱い肉塊と先走りで濡れた指先の感触にたまらなくなって、ツナは顔を屈め、ペニスの先端をちゅっと口付けた。
「おお!」
了平が驚愕の声を上げるのにも構わず、大きく口を広げて亀頭をぱくりと咥える。
「う……さわだ……ん……!」
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