白人だからだろうか、真っ白で目に痛い程のすらりとした長い足。
細いけれど、筋肉がしっかりとついていてカモシカのように敏捷でしなやかそうだ。
太腿も堅く引き締まっている。
股間には………濃い銀色に渦巻く陰毛が、これも冬の木漏れ日に輝いている。
頭髪よりかなり色が濃くくるくると渦巻いていて、西洋画みたいに幻想的だ。
中心には薄桃色の長いペニスが、さすがに寒さでか少し縮んで垂れ下がっている。
形が良く、色も薄くて、先端は濃い桃色に照り輝いている。
その下にぶら下がっている陰嚢も寒さで縮まっているのか、きゅっと可愛らしく丸くなっている。
(………すげー……スクアーロ……)
自分には到底できない。
こんな、外で──しかも神聖な神社の杜で、というか、とにかく戸外で、下半身のみ晒け出すとか、こんな卑猥な格好を晒すとか、そんな事……。
「おら、穿いてねーだろぉ?」
スクアーロがいつもの大きな濁声で言った。
「う、うん…」
さすがに口籠もって目線を反らす。
「テメーと別に変わったところもねぇ、おんなじだろぉ?男だもんなぁ?」
もっとよく見ろ、とばかりに腰を突き出してくる。
縮こまったペニスが微かに揺れる。
「うん……」
(そりゃそうだけど……)
確かに同じ器官だろうけど、でも…明るい陽射しの中で見るなんて事は、自分のものだってそうそう無い。
「まぁ、オレの方がずっとでけぇだろうがなぁ!」
ははっ、とスクアーロが笑った。
端正な、怜悧ささえ感じさせる顔の造りなのに、それなのに下半身は思いっきり丸出し……。
しかも股間を揺らして見せたりするなんて…。
その表情と行動のギャップにくらっとする。
しばし呆然としていた山本だが、ひゅうっと冬風が吹いてきて、はっと我に返った。
「ってか、寒くないのか、スクアーロ!」
「あ゛ぁ?ンなぐらいで寒いとか弱音吐いてるようじゃあ、ヴァリアー失格だぁ。もっと寒い場所で数日任務することもあるんだぜぇ。身体は常に鍛えておかねぇとなぁ?」
……いや、そういう意味じゃなくてっていうか、…任務で股間晒したりしないと思うけどっていうか…。
まぁ、スクアーロらしくていいけど…っていうか、可愛いけど…。
キラキラ輝く陰毛と、絶対寒いんだろう、鳥肌が立っている白い太腿を見ていると、なんだか脱力してきた。
バカって思っているわけじゃない……けど、この人絶対天然だよな。
それだけ自分の事を信頼してくれてるんだろうってのは分かる。
スクアーロは、信頼した相手とか、敬愛する相手にはとても献身的になる性格だ。
自分の事を可愛がって、とても大切に想ってくれてるのも分かっている。
けど、……こんな格好して見せたりしたら、自分がどう思うか、とか、そういうのには思い至らないらしい。
誘ってるとしか、思えない。
でもスクアーロ自身には全くそういう気はないのだ。
ただ単純に頼まれたから、見せてるだけに過ぎない。
そう思うとちょっと苛々した。
──なんだろう、この気持ち。
親切で頼りになって尊敬している相手なのに、何か困らせてやりたい、我が儘言ってみたい、……そんな、いつもなら絶対起こらないような気持ちが湧き起こってくる。
スクアーロなら何言っても叶えてくれる、…そんな気にもなってきた。
山本は、上目遣いにスクアーロを見上げ、両手を前で合わせた。
「スクアーロ、……もっと見たい。触りたい。……駄目かな?興味有るんだ」
「あ゛あぁ?」
さすがにこれはだめかな?でも、触りたい……。
先程スクアーロの無理矢理触らされた時の感触を山本は思い出した。
ふわっとしていて柔らかかった。
暖かくてどきどきした。
手がとろけそうだった。
今目の前のスクアーロのペニスは寒さで縮こまっていて、それも可愛らしい。
触って確かめたい。
どんな風に縮んでいるのか。冷たくなってるのか。それとも暖かいのか。
「スクアーロってホントなんでも教えてくれて凄いのなー。何でも知ってるし」
更に煽ててみる。
『豚も煽てりゃ木に登る』っていう諺があるけど、鮫もどこまでも木に登りそうな気がした。
……なんて言ったら、スクアーロに失礼だろうけど。
案の定、スクアーロはふふんと鼻を鳴らした。
「なんだぁ、触ってみてぇのかぁ?触ったってテメェが持ってんのと同じだけどなぁ。まーいいぜぇ?」
(やったー!!)
今の状態のスクアーロになら何を頼んでもOKしてくれそうだったけど、……本当にOKしてくれるとは。
山本は心の中で快哉を叫んだ。
「じゃーさー。ここじゃ寒いからさ、ホテル戻ってあったかい所で触ってみてー。日本じゃさ、お年玉って言って年上の人が年下にプレゼントくれる習慣あるんだけど、知ってる?」
「おー、ンな事ぐれぇ知ってるぜ!」
「じゃ、オレにお年玉にちょうだい!」
「はぁー?」
「オレにさ、お年玉。中身はスクアーロ!いいよな!」
畳みかけるように言う。
「お゛、お゛ぉ……」
スクアーロが戸惑っていたが、ここは押しの一手。
訳の分かってないようなスクアーロの着物の裾を降ろさせて直すと、手を握って足早に神社を後にする。
「う゛お゛おぃ、足が速ぇぞぉ…」
スクアーロは着物だから大股に歩けない。
そのスクアーロを引きずるようにして山本はホテルに戻った。
ホテルの部屋は空調が効いて暖かく、シンプルかつ高級な内装が豪華さを演出しており、更に中央の大きなベッドがシーツも真新しくメイキングされていて、いかにも暖かく柔らかそうだった。
「じゃーベッドの上で、よろしくスクアーロ!…まず見せてくれる?」
「……お゛、お゛ぉ……」
一度約束したからにはスクアーロも退けないだろうと分かってるからストレートにお願いする。
スクアーロが戸惑いながらベッドに腰を下ろすと、着物の帯を解き、左右に開いて下半身を丸出しにした。
こわごわ山本を見て、形の良い眉を顰め、なんでこんな事を、と口の中でぶつぶつイタリア語で言ってるようだ。
が、ともかく長く引き締まった脚を開いて股間を見せる。
山本はその脚の間に割って入って絨毯の上に膝立ちになると、間近でしげしげと股間を眺めた。
「う゛お゛おぃ、もういいだろ?」
ホテルの淡い照明に照らされた其処は、さすがに暖かい空気に触れたからか、縮こまっていたペニスが色鮮やかに赤くなり、長くゆったりと陰嚢の上に寝そべっている。
陰嚢も膨らんで、中のころんとした双玉が柔らかい陰嚢に包まれているのが分かる。
濃い銀色の陰毛がツヤツヤと照明に光っている。
──動悸が、した。
どんどん大きくなっていって、胸の中で暴れ出す。
顔を近づけると、顔に血が上ってか、赤くなった。
「だめだめ、まだ触ってねーし」
声が上擦った。
ごくり、と唾を飲み込んで、顔を更に近づける。
ふらふらと吸い寄せられるように、山本はスクアーロのペニスに唇を押し当てた。
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