◇Vacation 5   







「は、はぁ..?って、…あ、ッあ……っ!」
ザンザスの台詞に驚愕して起き上がろうとして、スクアーロは思わず呻いた。
肛門の奧辺りがずうん、と甘く疼いて堪えきれなかったのだ。
形の良い細い眉をきゅっと寄せ、尻をもじもじと擦り合わせ、拘束された手をもどかしげに動かそうとする。
「もう、縄は解いてやっても大丈夫だろ」
「あー、そうみてぇだなー。ザンザスって、容赦ねぇのなー」
スクアーロが興奮してきた様をまじまじと眺めていた山本が、さすがに頬を赤らめてぼそっと呟いた。
ぎちぎちに縛っていた縄を解くと、スクアーロの白く滑らかな腕にくっきりと赤く縄の痕がつき、それがまた妖しい色気を増す原因ともなっている。
「うわぁーー、オレまで興奮して来ちゃったぁ…」
長い銀髪をシーツの上に乱れ散らし、はぁはぁと息を切らし頬を上気させているスクアーロを見て、綱吉がうっとりと呟いた。
「女の子よりずうっと色っぽいねー、ザンザス。ザンザスっていっつもこんなスクアーロを…」
ぽっと頬を染めて綱吉が言う。
ブハッ、と笑い飛ばしてザンザスがソファにどかりと座った。
「まぁな。コイツは尻の具合も最高にいい。喘ぎは煩ぇが、それがまた悪くねぇ」
「へー、聞きたいのなー」
「まぁ、その内喘ぐだろ、強力なやつを尻に入れてやったからな」
きつく縛られて痺れ、感覚の無くなっていた腕をさすりながら、スクアーロは俯いていた顔を上げてザンザスをこれ以上ないほど睨んだ。
「フン……」
ザンザスが鼻で笑う。
(クソッッもう、これ以上、ンなバカに付き合ってられるかぁ!)
「……あ、ッッは…っ!」
と思ったのに、身体をちょっとでも動かすと直腸から、突き上げるような途轍もない快感が襲ってきて、スクアーロはたまらずに呻いてしまった。
尻のナカが熱い。
熱くて、とにかく疼く。
下半身がうずうずと熱く滾って、その熱が腰を痺れさせ、ペニスは再び勃起して、つるりと赤く瑞々しい亀頭を聳え立たせている。
色白の頬は上気しきって、銀蒼の眸は潤み、長い銀色の睫に涙の玉が光る。
切れ長の目尻からは、涙がつうっと溢れては頬を伝う。
薄い唇もいつのまにか半開きになり、油断をすると涎が垂れてしまいそうだった。
(クソっ、なんだってんだぁ。……あ゛ーッッ、ケツが疼いてたまんねぇ!)
過去に媚薬を使われた事がないわけではないが、こんなに速効で強力に効いてくるのは初めてだった。
ご無沙汰だったのも影響しているかもしれない。
そしてこの異常な事態も。
少しでも腰を動かすと、体内の疼きに耐えられそうもなくて、スクアーロは縄の痕の痛々しい両手をベッドについて身体を強張らせた。
逃げようにも、身体を動かせば、尻のナカが疼いて我慢できない。
かと言ってこのままじっとしていても、じりじりと疼きが強くなってきて耐えられそうもない。
ナカ―――尻のナカをぐちゃぐちゃにしてもらいたい、という強烈な欲望が襲ってきて、スクアーロは顔を振った。
駄目だ。
綱吉や山本の前で、そんな羞恥プレイは耐えられない。
今だってもうこれ以上ないほど恥ずかしい目に遭っているというのに。
しかし、ナカが疼く。
痒くて痒くてどうしようもない時と似ていた。
太くて堅いものが欲しい。
柔らかい体内を掻き回して、めちゃくちゃに動かしてもらいたい。
「……う゛、あっ……ハッ……ぁぁ……っん…」
「すごーい……色っぽい……」
綱吉の掠れた声が聞こえる。
「ザンザス、もう、我慢できないみたいだよ…?」
「フン、まだだ。コイツは結構頑固だからな。もっと素直に強請るぐらいに興奮してもらわねぇとな…」
「すげーのなー……こんなスクアーロ見る事できるなんて、夢みてぇなのなー」
だんだん、周囲で無責任にしゃべっている綱吉や山本の言葉までどうでも良くなってきた。
それより、尻の中が熱く痒い。
なんとかしてもらいたい。
掻き回してぐちゃぐちゃに抉ってもらいたい。
尻が無意識に蠢く。
長く艶やかな銀糸の髪をベッドに生き物のようにうねらせて、スクアーロは奥歯を噛み締めた。
駄目だ、我慢できない。
「おい、自分でやるんじゃねぇ」
つい、右手を尻孔に伸ばして、中に指を突っ込もうとしていた。
そこを容赦なくザンザスによって阻まれる。
手をぐっと掴まれ、ベッドに俯せに上体を引き倒される。
「ハッ、くぁ……ひッッ……ボ、ボス……ボスッッッ!」
「なんだ?」
「……ボス……ッも、駄目だぁ。…な、なんか、してくれぇ…ッッ!」
綱吉がいようが山本がいようが我慢できない。
スクアーロはとうとう陥落した。
のろのろと尻に刺激を与えないよう動いて、四つん這いになって尻を突き出し、ザンザスの眼前に尻孔を晒す。
「うわぁ………」
綱吉がさすがに驚きの声を上げた。
「スクアーロって凄いね、山本…」
「そ、そうだなー……オレもびっくりなのな……」
山本の声も上擦っている。
「フン……なんか、とはなんだ、カス……ちゃんと言わねぇと何もしてやらねぇ」
涙で視界が霞む。
顔をごしごしとシーツに擦り付けて涙を拭き取り、背後を振り返ると、ザンザスの両脇に綱吉と山本がいて、目を見開いて自分の尻を見つめている。
更に涙が溢れてきて、スクアーロはぽたぽたとシーツに涙を零した。
悔しい。
悔しくて情けなくて、どうにかなってしまいそうだ。
……それなのに。
それよりも、尻の中が疼き全身が震えるほど興奮していて、とにかく尻に堅く熱いものをぶち込んでもらいたかった。
掻き回して、抉ってほしい。
気が狂いそうだった。
「スクアーロのお尻って綺麗……ねぇ、ザンザス。ここに入れるんでしょ?ひくひくしてるね…」
「あぁ、男の場合はここに入れる。まぁ、女にもあるが、男の場合はここから中の前立腺を刺激してやるわけだ」
「あー……オレもなんか入れたくなっちまったのな…」
「なんだ、山本、テメェもやりたくなったのか?」
「こんな色っぽくて可愛いスクアーロ見たら我慢できねーって」
「フン、まぁ、そうだろうな。このカスは頭はバカだが、身体は絶品だ。中の締め付けもいいぜ?」
「そういう事聞くとますます我慢できねーって」
「まぁ、貸してやってもいい。テメェは二番目な。綱吉、テメェはどうだ?」
「えっ、オレ?オレは……」
綱吉が頬を染めた。
「オレは見てるだけでいいや。ちょっと刺激強すぎ……でも、…オレにもできるかな…?やってみたいかも…」
スクアーロは自分の尻辺りで交わされる会話を、全身をはぁはぁと震わせながら微かに聞いた。
山本とか綱吉とか……貸すとか……。
とんでもない事を話している気がする。
自分の人権が明らかに侵害されている。
いくら上司と部下と言ってもこれはあんまりではないのか。
労働基準監督署(イタリアにあれば)に訴えてもいいぐらいだ。
しかし、尻の中が疼いて痒くてもう、何も考えられない。
とにかく、欲しい。
この疼きを沈めてくれる、堅くて熱いものが。
中を掻き回して自分を翻弄してくれるモノが。
汗が滲み視界が霞む。
尻肉が震え、アナルがひくつき、開いては閉じる。
「すごい、中ってこんなに赤くて綺麗なんだぁ…。知らなかったな…」
「濡れててすげーやらしいのな…」
「ハッ。テメェ等女のも見たことねぇんだろ。まぁ、カスの尻は女よりずっと綺麗だ。ここに突っ込むのはすげぇ気持ちがいいぜ?」
興味津々にスクアーロの肛門を見つめる二人を前にザンザスが顎を上げて満足げに笑い、おもむろにズボンのベルトを外して中からペニスを取りだした。








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