◆タイガーさんとモノレールと僕◆ 1
はぁい、こんにちは。
え、何バーナビーの真似してるんだって?
まぁ、いいじゃないですか。
あ、僕が誰かって、そりゃあ、…って知らないですよね。
僕ですよ、僕。
透明人間になれるネクストの僕です。
前に一度、ヒーローのバーナビー・ブルックスJr.さんの代わりにヒーロースーツを着てバイトしようとしていた僕です。
名前だってちゃんとありますよ。
ライオネル・ホークっていう立派な名前が。
まぁどうせ誰も覚えてないと思いますけどね。
そういえば僕、その後楽屋荒らしなんてしちゃってましたね。
一度捕まったけれど、たいした被害が無いからという事で、きついお叱りは受けましたがその後無事釈放されました。
おかげでこうしてまた普通に社会生活が送れてる僕です。
まぁ、ただ今絶賛ニート中ですけどね。
あの楽屋騒ぎの時、僕、ワイルドタイガーさんにもう少しで捕まるところでした。
僕の大好きなブルーローズちゃんの楽屋では、透明になっていたはずなのに、バナナの皮なんか投げつけられて、彼に見つかりそうになるし。
彼って油断ならないですね。
バーナビーさんの代役として、ワイルドタイガーさんと初めて会った時は、なんかだるそうなおっさんだな、なんて思ったんですが、実際は大違い。
かなり切れるヒーローですよ、あの人。
――でもそれだけじゃなくて、僕、あの人に追いかけられて実はときめいちゃったんです。
え、お前ブルーローズちゃんのファンじゃなかったかって?
勿論ブルーローズちゃんは今でも好きですよ。
でもそれ以上にワイルドタイガーさんが好きになっちゃったって言うか、お気に入りになったって言うか。
バナナの皮投げつけられて目覚めちゃったのかも。
バナナは投げつけられるし、追いかけられるし、酷い目に遭ったから返ってかなぁ。
何故かあの日から脳裏に思い浮かぶのはタイガーさんの事ばかり。
だって彼、僕と違って身体凄いじゃないですか。
ほら、人間って自分に無いものを持っている人に憧れるって言いますもんね。
僕がブルーローズちゃんを好きなのも、彼女のダイナマイトボディや女王様的な所に憧れたからだし、ワイルドタイガーさんに憧れるのも、彼が僕とは全く違って完璧な肉体を誇ってるから、ってのがあります。
それに彼を間近で見ると、遠目で見るのとは大違いで、ものすごく可愛いんですよ。
あのギャップがたまりません。
あ、バーナビー?
彼はほら、勿論格好良くてハンサムだけれど、見た目通りだからイマイチ面白くないっていうか…。
そうそう、これ、ギャップ萌えって言うんですよね。
まぁ、そんな訳で、最近は密かにタイガーさんをストーカーしてる僕です。
ほら今朝も…。
彼が朝必ず乗る電車に予め乗ってます。
勿論タイガーさんに気付かれない程度に遠くにね。
――っと、今日もタイガーさんが乗車してきました。
タイガーさん、いつもながらぼんやりしている。
発車ぎりぎりで慌てて乗車してきて、中に乗っていた人にぶつかってるし。
ぺこぺこ頭下げて謝ってる所がまたヒーローらしからぬ行動で、可愛いんですよ。
座るところ無いから、他の乗客に揉まれながら立ってます。
よし、じゃあ僕もこっそり彼の背後に移動します。
タイガーさんに気付かれないように、変装してますよ。
眼鏡も変えたし風邪用のマスクも付けているし、それにちょっと太ってみました。
それから、ネクスト能力をもっと強固にしようと思って修行したんですよ。
一応僕だってネクストのはしくれですからね。
今では息を止めている時間プラス数分、透明になっている事ができますよ。
凄いでしょ。
少しずつ移動して、良い感じに彼の背後に付きました。
朝のラッシュアワーの時間ですからね、誰もみんな他人とくっついても我慢してモノレールに乗ってます。
よし、タイガーさんの背後から……
「………?」
あ、もう気付いた。
早いなぁ。
それだけ敏感って事ですよね、タイガーさん。
落ち着かない様子でそわそわしている。
後からお尻を撫で撫でしてみました。
タイガーさんのお尻ってすっごく小さくてきゅうって引き締まってるんですよ。
ぴったり貼り付いたスラックスの上から臀部の筋肉が分かるぐらい。
指で臀部の筋肉をすうっとなぞって、指の先を尻の割れ目に差し入れます。
ぴく、ってタイガーさんが緊張している。
尻の肉がきゅきゅっと引き締まって、それ逆効果じゃないかなぁ、僕の指を尻肉で挟んで抜けなくしてますよ。
おっと、タイガーさんが後ろを向きそうになったからさりげなく指を抜きました。
知らない振りをして平然としていれば絶対ばれませんからね。
振り向こうとして他の乗客にぶつかって、タイガーさん残念そうに振り向くのをあきらめました。
また僕の出番ですね。
今度は、尻の隙間から手を回して、タイガーさんの股間を柔らかく揉んでやります。
「……っ、ぁ…」
思わずタイガーさんが声を漏らしてしまって、はっとしたように手で口を覆いました。
可愛いなぁ…。
周りの乗客が不審そうにタイガーさんを見てますよ。
後ろから見てると、首筋が真っ赤になっちゃって…本当食べちゃいたいぐらい可愛い。
僕の可愛いタイガーさん。
…なんて、勝手に僕のって決めつけてるけど、まぁいいですよね?
可愛いタイガーさんを見る事ができたので、お礼に股間に伸ばした手でやわやわとタイガーさんのちんこを掴んでやりました。
「ひ…っ」
ぐに、と掴んでタイガーさんが狼狽した声を上げた所で、すかさず離します。
知らん振りをして見ていると、首筋を真っ赤にしたまま俯いて、肩が細かく震えている。
恥ずかしかった?
でも良い声だよ、タイガーさん。
他の乗客だって、ほら、みんな何事って感じで貴方を振り返ってるよ?
「……っ、すいません…」
あ、タイガーさん、突如乗客を掻き分けて移動しようとしている。
僕もさりげなく彼の背後から移動しました。
どこに行くのかなあ?
あぁ、洗面所ね。
このモノレールは、水回りが贅沢にできています。
ちょっと贅沢気分を味わいつつ通勤しましょうっていうコンセプトみたいです。
トイレは全て車椅子兼用で広いし、洗面所は真新しいカーテンで仕切られていて、中は大きな一枚鏡と、水色の陶磁器でできた涼しげな洗面台があるんですよね。
タイガーさん、そこに入っていきました。
よほど慌てているらしく、後ろも見ないから、僕も一緒にするりとタイガーさんの後から洗面所に入ります。
あ、ここで勿論ネクスト発動です。
あんまり長い時間は透明でいられないけど、タイガーさんのネクスト能力の期限の5分よりは長く透明でいられるよ。
気合いを入れて息を止めて僕は一気に透明に変化。
洗面所に入ってから透明になったから、他の人には不審に思われないだろうし、当然タイガーさんには気付かれない、と。
僕は予め用意しておいた長い手ぬぐいを取り出すと、それをばさっと、タイガーさんの顔に引っかけました。
「うわぁっ」
タイガーさんが思わず声を上げるけどそれに構わず目を覆って後ろできつく縛ります。
「静かにしろ…。他の客に気付かれるぞ…、お前ワイルドタイガーだろう?ちょっとでも動いたら、大声でヒーローが痴漢しているって叫んでやる」
わざと低く太い声を作ってタイガーさんの耳元に囁くと、タイガーさんがびくっと大仰に反応して、大人しくなりました。
さて、ここで一旦ネクスト解除。
疲れるからね。
よし、これで準備OK。
前々からモノレールでこういう事したいなぁって憧れてたんです。
ありがとう、タイガーさん。
タイガーさんが自分から洗面所に行ってくれたからね、僕の念願が成就しました。
感謝しなくちゃね。
とりあえず感謝の印に、僕は彼のシャツの裾を引き出し、ネクタイをほどいてベストとシャツのボタンを外しました。
さっきの脅しが利いたのかな、タイガーさんじっとしている。
それをいいことに僕はスラックスのベルトを外してずる、とそのまま下着毎ズボンをずり下げました。
…すげぇ、綺麗だなぁ…。
タイガーさんの可愛いお尻が丸見えになりました。
浅黒い肌が洗面所の照明に光って、つるりとした尻肉が美味しそうです。
胸はどうかな?
あぁ、ぷくっとした小さな乳首がこれまた緊張からかな、既に勃ちあがって可愛く震えています。
大丈夫だよ、タイガーさん、僕がかわいがってあげるからね?
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